ベンジャミン (植物)

ベンジャミン（Ficus benjamina）

ベンジャミンは、クワ科イチジク属に分類される常緑樹で、学名を Ficus benjamina といいます。標準和名はシダレガジュマルですが、一般的には学名からフィカス・ベンジャミナ、またはベンジャミンゴム、ベンジャミンゴムノキ、シロガジュマルなどの名前で親しまれています。

特徴

原産地はインドから東南アジアにかけての地域で、インドゴムノキやイチジクと同じイチジク属の植物です。耐陰性が強く、日当たりの良い場所を好みますが、強健な性質を持っています。街路樹として利用されることもあります。

樹皮は白く滑らかですが、大きく成長すると気根を出すことがあります。葉は小さく、長さ10cm程度の卵状楕円形で、緑色の光沢があります。斑入りの園芸品種も多く存在します。

観葉植物として非常に人気があり、鉢植えで育てられることが多いですが、成長すると高木になり、幅も広がるため、広いスペースが必要となる場合があります。スリランカのペラデニア公園には、大きく成長したベンジャミンを見ることができます。

利用

幼木の頃は枝が垂れ下がるように成長し、その優しい姿から観葉植物として人気を集めています。若い枝は柔らかいため、寄せ植えにして三つ編みのように仕立てることも可能です。

主な園芸品種

数多くの園芸品種が存在しますが、代表的なものとして以下のような品種があります。

‘エキゾチカ’ (F. benjamina ‘Exotica’): 基本種よりも葉が大きいのが特徴です。
‘ゴールド・ラッシュ’ (F. benjamina ‘Gold Rush’): 葉が細く、明るい黄緑色の葉色が特徴です。
‘バリエガータ’ (F. benjamina ‘Variegata’): 葉に白い斑が入る品種です。
‘ゴールデン・プリンセス’ (F. benjamina ‘Golden Princess’): 葉に黄色い斑が入る品種です。
‘ハワイ’ (F. benjamina ‘Hawaii’): 葉に不規則な白い斑が入る品種です。
‘スター・ライト’ (F. benjamina ‘Star Light’): 葉に白い星のような斑が入る品種です。
‘シタシオン’ (F. benjamina ‘Citation’): 通常のベンジャミンよりもコンパクトな園芸品種で、葉の外側がカールするのが特徴です。
‘バロック’ (F. benjamina ‘barok’): 葉が裏側にカールするユニークな品種です。

栽培

ベンジャミンは日当たりの良い場所を好みますが、夏の直射日光は葉焼けの原因となるため、レースカーテン越しなど、やわらかい光を当てるようにしましょう。特に斑入りの品種は、直射日光に弱いため注意が必要です。

生育に適した温度は20～25℃程度で、冬場でも10℃以上を保つようにしてください。水やりは、春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬場は乾燥気味に管理します。

環境変化に敏感で、土が湿った状態で低温にさらされたり、空気が乾燥すると葉を落としてしまうことがあります。しかし、枝が生きていれば春にまた新しい芽が出てきます。葉を落とさないためには、冬場でも暖かい場所に置き、適度な水やりと葉への霧吹きを行い、湿度を保つことが大切です。

肥料は、初夏から初秋にかけて、緩効性のものを2ヶ月おき程度に与えます。植え替えも同様の時期に行うのが適しています。用土は、水はけが良ければ特に選びません。枝が伸びすぎた場合は、夏の間に切り戻しを行い、樹形を整えましょう。

ベンジャミンの増やし方は、挿し木や取り木が一般的です。枝が細いため、挿し木の方が適しています。長さ10cmほどの挿し穂を使い、初夏の高温期に行うと発根しやすいでしょう。

参考資料

土橋豊『観葉植物1000』八坂書房、1992年9月10日、112-114頁。ISBN 4-89694-611-1。
渡辺均監修 池田書店編『インテリアグリーンを楽しむ はじめての観葉植物 育て方と手入れのコツ』池田書店、2006年11月28日。ISBN 978-4-262-13618-9。

関連項目

インドゴムノキ
ガジュマル
* オオイタビ

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