ベンジャミン・フランクリン・バトラー (マサチューセッツ州知事)

ベンジャミン・フランクリン・バトラーの生涯

ベンジャミン・フランクリン・バトラー（1818年11月5日 - 1893年1月11日）は、アメリカ合衆国の弁護士であり、政治家でありました。彼はマサチューセッツ州の下院議員および州知事を歴任し、特に南北戦争時の行動で広く知られています。バトラーは、占領したニューオーリンズの統治や奴隷に関する政策、またバミューダ・ハンドレッド方面作戦での不成功な指揮により、非常に議論を呼ぶ人物として知られています。

初期の経歴

バトラーは、ニューハンプシャー州ディアフィールドで生まれ込みました。父はアンドリュー・ジャクソンの下で米英戦争に従軍したジョン・バトラー大尉でした。彼の名前は、合衆国建国の父であるベンジャミン・フランクリンにちなんで付けられました。母はマサチューセッツ州で下宿屋を営んでいました。バトラーはウォータービル・カレッジで学び、卒業後は法廷弁護士としてキャリアをスタートしました。1842年にサラ・ヒルドレスと結婚し、彼女との娘は後に北軍のミシシッピ州上院議員と結婚します。

バトラーは民主党に所属し、労働者の権利を擁護する法律を提唱するなど、政界での活動を始めました。彼は1853年に州下院議員、1859年には上院議員に選出され、1860年の民主党全国大会ではジェファーソン・デイヴィスの指名を支持しました。南北戦争に先立ち、マサチューセッツ州民兵隊でキャリアを積み、それにより政治的な地位を確立していきました。

南北戦争

南北戦争が始まると、バトラーは北軍の指揮官として北東部への部隊派遣を任されました。彼はメリーランド州のアナポリスで部隊を指揮し、ボルティモアを無抵抗で占領しました。この行動により、彼は将軍に昇進し、北軍指揮官として第一線に立つことになります。バージニア州での戦闘においては、彼の作戦は多くが失敗に終わりましたが、モンロー砦で奴隷を「コントラバンド」として扱うという政策は、後に他の北軍指揮官にも影響を与えることになります。

ニューオーリンズでは、その厳格な統治で注意を集めましたが、過激な措置も多く、特に女性に対する命令第28号は、後に大きな非難を受けることとなります。彼の決定は北部と南部の両方で批判を浴び、最終的にはメキシコ湾方面軍の指揮官から外されることにつながりました。

バトラーはその後も軍の指揮を執りますが、連絡線の破壊や部隊の進撃においてはほとんど効果を上げられず、1865年に除隊となります。

戦後の政治活動

戦後、バトラーは政治の世界に戻り、共和党員として合衆国下院議員に選出されました。彼はレコンストラクション政策に積極的に関与し、公共施設での人種差別を禁止する公民権法の制定に貢献しました。また、彼はアンドリュー・ジャクソン大統領の弾劾裁判の責任者となり、重要な役割を果たしましたが、弾劾そのものは成功しませんでした。

1872年には詐欺事件に巻き込まれ、不運に見舞われた時期もありましたが、彼はその後州知事に就任し、大統領選挙でも候補者として名を連ねるなどしました。彼の政治的行動は賛否が分かれましたが、彼の存在感は政治の舞台で大きな影響を持っていました。バトラーは、1893年にワシントンD.C.で死亡し、マサチューセッツ州に埋葬されました。

バトラーの子孫には、アデルバート・エイムズ・ジュニアや女性参政権論者で画家のブランチ・エイムズのように、著名な人物が多くいます。彼の生涯は、アメリカの政治と軍事の歴史において重要な位置を占めています。

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