ペア・メルテザッカー

ペア・メルテザッカー：ドイツが誇る元DFの軌跡

ペア・メルテザッカー（Per Mertesacker）は、1984年9月29日、西ドイツ・ハノーファー出身の元サッカー選手です。主にDF（センターバック）として活躍し、その長身と冷静な判断力で、ドイツ代表とアーセナルで重要な役割を果たしました。メアテスアッカー、メルテスアッカーとも表記されます。

プロ入りと初期

メルテザッカーは、サッカー指導者の父とノルディックウォーキング指導者の母の間に生まれました。幼少期は特に目立つ選手ではなかったものの、11歳でハノーファー96の下部組織に入団し、着実に力をつけていきます。2003年にプロ契約を結び、1.FCケルン戦でブンデスリーガデビューを果たしました。

ヴェルダー・ブレーメンでの飛躍

2006年、メルテザッカーはヴェルダー・ブレーメンへ移籍。ナウドやセバスティアン・プリョードルと共にDFラインの要として活躍し、チームの安定に大きく貢献しました。2008-09シーズンには、DFBポカールとUEFAカップで決勝に進出するも、怪我の影響で決勝を欠場しました。

アーセナルでの挑戦と栄光

2011年、メルテザッカーはイングランドのアーセナルへ移籍。当初はプレミアリーグのスピードに苦しみましたが、徐々に適応し、ローラン・コシールニーとのコンビで強固なDFラインを築き上げました。2013-14シーズンにはFAカップで優勝。2016-17シーズンからはキャプテンを務め、怪我からの復帰後、FAカップ決勝でチェルシーを相手に勝利し、優勝に貢献しました。怪我の影響もあり、2017-18シーズン限りで現役を引退し、アーセナルのアカデミーの職に就任しました。

ドイツ代表としての輝かしいキャリア

メルテザッカーは、2004年にドイツ代表に初選出され、イラン戦でデビュー。以降、ディフェンスの要として、2006年ワールドカップ、2008年EURO、2010年ワールドカップなど数々の国際大会に出場しました。2014年ワールドカップでは、準々決勝を除く6試合に出場し、ドイツの優勝に大きく貢献。同大会を最後に代表を引退し、11年間で104試合に出場、4得点を記録しました。

プレースタイルと人物像

メルテザッカーは、200cmの長身を生かした空中戦の強さが最大の武器です。的確な予測とポジショニングにも優れており、クリーンなプレーも特徴です。アーセナルのベンゲル監督は、彼を「豊富な経験と強さを持つ国際的な選手」と評しました。また、ピッチ外ではボランティア活動にも熱心で、「ペア・メルテザッカー財団」を設立し、恵まれない子供たちの支援を行っています。

引退後には、プロアスリートが抱えるプレッシャーについて告白し、大きな反響を呼びました。常に強い姿を求められるアスリートの苦悩を明らかにした勇気ある行動は、多くの人々に感銘を与えました。

主要タイトル

ヴェルダー・ブレーメン
DFBポカール: 2008-09
アーセナル
FAカップ: 2013-14, 2014-15, 2016-17
FAコミュニティ・シールド: 2015, 2017
ドイツ代表
* FIFAワールドカップ: 2014

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