ペドロ4世 (アラゴン王)

ペドロ4世：アラゴン王国の激動の時代を生きた君主

ペドロ4世（1319年9月5日 - 1387年1月6日）は、アラゴン王、バレンシア王、バルセロナ伯として、14世紀のアラゴン王国を統治しました。尊儀王（el Ceremonioso）または短剣王（el del Punyalet）とも呼ばれ、その治世は数々の出来事に彩られています。本記事では、ペドロ4世の生涯、業績、そして家族構成について詳しく解説します。

生涯

1336年、父であるアルフォンソ4世の崩御により、ペドロ4世は王位を継承しました。彼の治世は、カスティーリャ王国との間で繰り広げられた「二人のペドロの戦争」（1356年 - 1375年）によって特徴づけられます。この戦争は、ペストなどの自然災害も重なり、最終的にはアルマサン条約によって決着しましたが、両国に大きな爪痕を残しました。

また、ペドロ4世は、マヨルカ王ジャウメ3世を廃位し、バレアレス諸島とルシヨンをアラゴン王国に再統合するという功績も残しています。さらに、自ら年代記を著すなど、文化的な側面でも貢献しました。

ペドロ4世の治世は、教会との対立も見られました。彼は異端審問所長のニコラス・アイメリッチと度々対立し、政治的な緊張を生み出しました。しかし、1358年から1359年にかけて開催された会議では、自治政府が設立され、王国の統治機構に新たな変化をもたらしました。

1387年、ペドロ4世はバルセロナで亡くなり、長男のフアン1世が王位を継承しました。

家族

ペドロ4世は生涯に4度の結婚を経験し、多くの子をもうけました。

1. 最初の王妃：マリア・デ・ナバラ
ナバラ女王フアナ2世の王女。1338年に結婚し、1男3女をもうけました。
マリア（夭逝）
コンスタンサ（シチリア王フェデリーコ3世妃）
フアナ
ペドロ（夭逝）

2. 2番目の王妃：レオノール・デ・ポルトゥガル
ポルトガル王アフォンソ4世の王女。1347年に結婚しましたが、翌年ペストにより死去。子供はいませんでした。

3. 3番目の王妃：レオノール・デ・シチリア
シチリア王ピエトロ2世の王女。1349年に結婚し、2男1女をもうけました。
フアン1世（アラゴン王）
マルティン1世（アラゴン王、シチリア王）
レオノール（カスティーリャ王フアン1世妃、アラゴン王フェルナンド1世の母）

4. 4番目の王妃：シビラ・デ・フォルティア
1377年に結婚し、1男1女をもうけました。
アルフォンソ（夭逝）
* イサベル（ウルジェイ伯ジャウマ2世妃、アラゴン王位請求者）

ペドロ4世は、激動の時代を生き抜き、アラゴン王国の版図拡大と統治機構の改革に貢献しました。また、多くの子をもうけ、その血筋は後のアラゴン王家や、カスティーリャ王家にも繋がっています。彼の生涯は、中世ヨーロッパの政治と文化を理解する上で重要な要素と言えるでしょう。

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