ペリノア王

ペリノア王の物語

ペリノア王（King Pellinore）は、アーサー王物語に登場する重要なキャラクターであり、アーサー王の円卓の騎士の一名である。しかし彼の立場は単なる騎士ではなく、王であるため形式的にはアーサー王と同等の地位にある。彼は懐疑心を充足させるため、長い間旅を続け、戦士としての道を歩んだ。

彼の武勇は特筆すべきものであり、伝説ではアーサー王と戦い、彼が持つ名剣エクスカリバー（またはカリバーン）を砕いてしまうほどの力を誇っていた。ペリノア王の領地は伝承によって異なり、ノーサンバランドやリスティスが挙げられるが、特に「ペリノア」という名前は彼自身の個人名であり、領地名ではないという誤解がしばしば見受けられる。

マロリー版によると、ペリノア王は「唸る獣」と呼ばれる生き物を追い求める騎士として初めて登場する。その後、彼は泉の近くにテントを張り、通りかかる騎士たちに決闘を挑むことで知られる。その結果、多くの騎士たちが重傷を負った。これを受け、アーサー王は円卓の騎士、グリフレット卿を派遣するが、グリフレット卿もペリノア王に敗れ、重傷を負わされてしまった。

最終的には、アーサー王が自らペリノア王との戦いに臨むことになる。若き王は、老練なペリノア王に打ち倒され、敗北を味わう。この時、アーサー王は王者の剣エクスカリバーを抜こうとするが、彼の欲望から生じたこの行為は剣を砕いてしまうという結果を招く。意気消沈したアーサー王は、再び敗北することになるが、ここで魔法使いマーリンが介入し、ペリノア王を戦闘不能に追い込んだ。マーリンは、アーサー王の素性を明かし、彼を戒めるような形で介入したが、ペリノア王は優れた騎士であったため命は奪われなかった。

後に、アーサー王とロット王との間で戦争が起きた際には、ペリノア王はアーサー王側に参加し、ロット王を討ち取る功績を上げる。しかし、この行動がもとでロット王の息子、ガウェイン卿らから恨みを買い、最終的にはペリノア王はガウェインに暗殺される運命を辿ることになる。さらにペリノア王は女好きとしても知られ、息子としてアグロヴァル卿、トー卿、ラモラック卿、パーシヴァル卿がいるが、彼らはいずれも異母兄弟である。

ペリノア王は、自身の知られざる娘エレインを持っていた。エレインはある冒険でペリノア王に助けを求めるが、急いでいた彼は彼女を見殺しにしてしまう。この行為によって、エレインは彼に「最も困っている時に誰からも助けてもらえない」という呪いをかけてしまう（マロリー版3巻15章）。後になって、マーリンはこの娘が自身の子であることをペリノア王に知らせ、彼はひどく後悔することになる。なお、この冒険の最中にペリノア王が助けた乙女、ニミュエは後にマーリンを監禁する役割を担うことになる。

ペリノア王の人生は、武勇や愛情の影を背負っており、彼の行動は後世にわたり多くの物語や伝承の一部となった。

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