ラモラック

ラモラック卿: アーサー王伝説の騎士

ラモラック卿（Sir Lamorak）は、アーサー王伝説の中で著名な円卓の騎士であり、特にその武勇において知られています。ペリノア王の息子であり、彼にはトー卿、アグロヴァル卿、パーシヴァル卿、ドリアン卿といった兄弟がいます。彼の名は伝説において、ランスロット卿やトリスタン卿に次ぐ第三の騎士としての位置づけを受けています。マーリンは、ラモラック卿が王国を脅かす存在であるモルドレッド卿の名を知る者として運命づけられていると予言していました。

このような運命を背負ったラモラック卿は、非常に優れた騎士としての能力を持ち続け、力強さと激しい気性で知られています。その名は数々の戦いの中で功績をあげ、多くの騎士を一人で倒すことでも知られています。特に、父のペリノア王をガウェイン卿に殺害されたことで、彼は若いうちから家族の当主としての役割を担わされました。キャメロットに現れると、その武勇を駆使して数々の冒険を経て円卓の騎士に迎えられました。彼はランスロット卿やガウェイン卿よりも年若く、気性が激しいため、さまざまな争いを生じさせることもありました。

彼はアーサー王に敵対する騎士たちの城を訪れ、数々の戦士を圧倒的な力で打ち倒していく場面が描かれています。ラモラック卿は赤い盾の騎士として称賛を受け、アーサー王からの信任を得ましたが、ガウェイン卿らにとっては彼の存在が脅威となるため、彼らとの敵対関係が形成されました。

また、最初はトリスタン卿との関係が険悪であり、ある槍試合をめぐって意見が対立しました。疲労のため戦うことを拒否されたことに対して、ラモラック卿はトリスタン卿の愛する王妃イゾルデの不貞を暴くための罠を仕掛け結果として争いを引き起こしました。しかし、その後二人は互いの武勇を認め合い、友情が芽生えました。類似の経緯でランスロット卿とも対立することがありましたが、最終的には和解しています。

恋愛面では、ラモラック卿は美しさを巡る喧嘩にも関与し、モルゴースとの関係が引き金になってさまざまな争いを引き起こしました。モルゴースはロット王の妻であり、ガヘリス卿やガウェイン卿にとっては不快な存在であったため、彼の愛人との関係は対立を生む原因となりました。

悲劇的な運命が待ち受けているラモラック卿は、サールースでの槍試合で命を落とすことになります。彼は大会に参加し、ガウェイン卿やガヘリス卿といった仲間たちから襲撃を受けてしまいます。相手が4人という圧倒的な数であったため、長期にわたる戦闘の末に最終的に彼はやむを得ない結末を迎えました。

その後、ラモラック卿に対する復讐に動く騎士たちが登場し、彼の名を汚す者が現れる中、ほかの騎士たちも彼の影を追っていくこととなるのです。彼の死はアーサー王伝説の中で多くの騎士たちに衝撃を与え、物語の中でラモラック卿の名は永遠に語り継がれることになるのです。

もう一度検索