ペリリュー (強襲揚陸艦)

ペリリュー（USS Peleliu, LHA-5）は、アメリカ海軍が運用していたタラワ級強襲揚陸艦の5番艦です。艦名は、第二次世界大戦中に激戦地となったパラオのペリリュー島における戦いに由来します。

艦歴

当初、ケサン、続いてダナンと命名される予定でしたが、1976年11月12日にミシシッピ州パスカグーラのインガルス造船で起工されました。1978年11月25日には、当時のアメリカ海軍作戦部長トーマス・B・ヘイワードの妻であるペギー・ヘイワードによって命名・進水し、1980年3月3日にT・P・スコット艦長の指揮下で就役しました。

就役後、ペリリューは南へ向かいパナマ運河を通過、5月27日に赤道を通過し、カリフォルニア州ロングビーチに配備されました。特筆すべきは、ペリリューが就役から赤道通過まで、アメリカ海軍艦艇の中で最短期間であったことです。

1991年6月には、湾岸戦争終結後、ペルシャ湾からの帰還中にフィリピンのピナトゥボ山の噴火に遭遇。スービック海軍基地からの避難民救助に参加しました。この噴火は過去100年間で最大規模であり、基地施設は甚大な被害を受けました。艦内では、避難してきた産婦人科患者から多数の新生児が誕生しました。

1999年10月26日から11月27日にかけては、オーストラリア軍主導の東ティモール国際軍の一員として、東ティモールでの平和維持活動に展開しました。

2001年11月には、不朽の自由作戦の一環として、最初期の海兵隊部隊をアフガニスタンへ輸送する任務を遂行しました。

2004年1月1日、ペリリューは北アラビア海でダウ船を停船させ、翌2日に拿捕。15名の乗組員を拘束し、2,800ポンド（約1,300キログラム）の大麻樹脂（末端価格約1,100万ドル相当）を押収しました。

35年にわたる活動後、2015年3月31日にペリリューは退役しました。

ペリリューは、その長い艦歴の中で、戦闘作戦のみならず、人道支援、災害救助など多岐にわたる任務に従事し、アメリカ海軍の即応性と多用途性を示す象徴的な存在でした。

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