ペンギン (ミサイル)

ペンギンミサイルについて

ペンギン（Penguin）は、ノルウェーのコングスベルグ社が1970年代に開発した短距離対艦ミサイルです。本ミサイルは、1962年からその開発が始まり、1972年には初めて運用が開始されました。西側諸国の対艦ミサイルとしては早期に登場したものであり、長年にわたって進化を続けています。

概要

ペンギンは、ミサイル技術の発展の中で最初期のモデルの一つとして位置付けられています。そのエンジンには固体燃料ロケットを採用しており、誘導方式にはパッシブ赤外線ホーミング技術を使用しています。また、弾頭重量は約120 kgで、破壊力の高い弾頭を搭載しています。

発射プラットフォームは非常に多様で、ミサイル艇だけでなく、固定翼機やヘリコプターにも搭載されています。これにより、運用の幅が広がり、さまざまな状況に対応できる能力を持っています。アメリカ海軍でもAGM-119として100発ほど導入されていましたが、新たな購入は行われていません。

さらに、コングスベルグ社は性能向上を図るためエンジンのターボジェット化、GPS誘導、赤外線イメージ誘導などの大規模な改良を実施し、ペンギンMk.4として製品化しました。この改良版はその後、NSM（ネイビーロケットシステム）として完成しています。

運用国

ペンギンミサイルは複数の国で運用されており、以下の国々がその主要な使用国です：

• - ノルウェー（海軍、空軍）
• - アメリカ合衆国（海軍）
• - オーストラリア（海軍）
• - ギリシャ（海軍）
• - スウェーデン（海軍）
• - スペイン（海軍）
• - 韓国（海軍）
• - トルコ（海軍）
• - 南アフリカ共和国（空軍）

これらの国々は、それぞれの軍事戦略に基づいてペンギンを採用し、実戦においてその効果を発揮しています。

仕様

ペンギンミサイルにはいくつかのバリエーションがありますが、代表的な仕様を以下に示します。

ペンギン Mk 3 (AGM-119A)

• - 全長: 3.18 m（10 ft 5 in）
• - 翼幅: 1.0 m（3 ft 3 in）
• - 弾体直径: 0.28 m（11 in）
• - 発射重量: 370 kg（820 lb）
• - 機関: 固体燃料ロケット・モーター
• - 射程: 40 km（22 nm）
• - 最高速度: 亜音速
• - 弾頭: Mk 19 半徹甲弾 113 kg（250 lb）

ペンギン Mk 2 Mod 7 (AGM-119B)

• - 全長: 2.96 m（9 ft 8.5 in）
• - 翼幅: 1.42 m（4 ft 8 in）
• - 弾体直径: 0.28 m（11 in）
• - 発射重量: 365 kg（805 lb）
• - 機関: Mk 44 Mod 1 固体燃料ロケット・モーター
• - 射程: 28 km（15 nm）
• - 最高速度: 亜音速
• - 弾頭: WDU-39/B 半徹甲弾 120 kg（265 lb）

ペンギンミサイルは、強力な対艦攻撃力を有し、運用国によって多様に使用されています。性能の向上と多様な運用形態を整え、現代の戦場においても重要な役割を果たし続けています。

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