ペンシルベニア級装甲巡洋艦

ペンシルベニア級装甲巡洋艦について

ペンシルベニア級装甲巡洋艦は、アメリカ海軍が1901年から1908年にかけて建造した艦級であり、計6隻が進水しました。これらの艦は、1899年度および1900年度の建造計画に基づき、戦略的に重要な巡洋艦として計画されたもので、全艦が第一次世界大戦に参加しました。最初の艦名は「ペンシルベニア」でしたが、戦後は他の名に改名された艦艇が多数存在します。特にカリフォルニアは、戦争中にサンディエゴに改名され、最終的にドイツのUボートにより戦没しました。その他の艦艇はロンドン海軍軍縮条約に従って廃棄されました。

艦形の特徴

この艦級は、平甲板型の艦体デザインが特徴で、艦首には衝角を備えています。艦首甲板には20.3cmのライフル砲を備えた楔形の連装砲塔が配置されているほか、操舵艦橋の上部に見張り所を有し、単装機砲を搭載したミリタリーマストが立っています。船体の中央部には4本の煙突が並び、その周囲には煙管状の通風筒が整然と配置されています。後部甲板には主砲塔が設置され、艦側には多数の副砲も装備されています。

1911年には再設計が行われ、前部マストが籠状のものに変更されるとともに、主砲も新型に更新されました。また、この再設計の際には、ペンシルベニアが飛行機の発着艦の試験を行うための仮設の飛行甲板を設けたことも注目に値します。

武装と装備の詳細

ペンシルベニア級の主砲には「Mark 5 1894年型 20.3cm（40口径）ライフル砲」が採用され、最大射程は14,630mにも及びます。発射速度は毎分2.0から2.8発という精度で、旋回角度は300度を誇ります。副武装には15.2cmの速射砲が採用され、これもまた高度な攻撃能力を持つ設計です。特に、対水雷艇用の速射砲も装備し、多彩な戦術に対応できるように整備されています。

戦艦の改修は何度か行われ、1919年以降は対空火器も強化されました。また、各艦艇においてボイラーの改修や煙突の数の調整が行われたことから、時代に応じた機能改良が施されました。その結果、ペンシルベニア級艦は第一次世界大戦を通じて、実戦において大きな成果を挙げました。

同型艦のリスト

ペンシルベニア級には、以下の艦艇が含まれています：

• - ペンシルベニア（USS Pennsylvania, ACR-4）：後にCA-4 Pittsburghに変更
• - ウェストバージニア（USS West Virginia, ACR-5）：後にCA-5 Huntingtonに変更
• - カリフォルニア（USS California, ACR-6）：改名後、戦没
• - コロラド（USS Colorado, ACR-7）：後にCA-7 Puebloに変更
• - メリーランド（USS Maryland, ACR-8）：後にCA-8 Frederickに変更
• - サウスダコタ（USS South Dakota, ACR-9）：後にCA-9 Huronに変更

このように、ペンシルベニア級はその戦歴、武装、改修の歴史において、アメリカ海軍の重要な一翼を担った艦艇群であると言えるでしょう。

もう一度検索