ペンデュラム/悪魔のふりこ

ペンデュラム/悪魔のふりこ (1991年の映画)

概要

1991年に製作されたアメリカのホラー映画で、スチュアート・ゴードンが監督を務めた作品です。15世紀のスペインを舞台に、凄惨な宗教裁判と異端審問の闇に潜む拷問儀式の恐怖を描き出すゴシック・ホラーとして知られています。原作はエドガー・アラン・ポーの短編小説『落とし穴と振り子』と『アモンティラードの樽』であり、先行する1961年のロジャー・コーマン監督作『恐怖の振子』のリメイク版にあたります。主演はランス・ヘンリクセンが務め、物語の中心となる異端審問所長官トルケマダを演じています。彼の役柄は、史上初の異端審問所長官であるトマス・デ・トルケマダをモデルとしています。アメリカでのDVDリリース時には『The Inquisitor』という別題が付けられたこともあります。

ストーリー

物語の舞台は1492年のスペイン。この時代、異端審問所長官トルケマダによる魔女狩りが猛威を振るっていました。貴族に対する公開火刑が執行される中、無抵抗な子どもへの鞭打ちを目撃したマリアは、彼をかばったことで投獄されてしまいます。

トルケマダは、囚われたマリアの美貌に心を乱され、異常な欲望に囚われます。彼はマリアを魔女と断定し、自白するまで徹底的に拷問するよう命じますが、尋問中に彼女に魅入られ、地下牢へ送ることを決めます。

劣悪な環境の牢獄で、マリアは同じく魔女として捕らえられた老女エスメラルダと出会い、過酷な状況の中で友情を育みます。一方、マリアの夫であるアントニオは、愛する妻の無実を信じ、救出のためにトルケマダの居城へ潜入しますが、失敗に終わり、無念にも自らも捕らえられます。

アントニオが囚われたことを知ったトルケマダは、彼を新たな拷問器具の実験台とすることを思いつきます。それは、天井から吊るされた巨大な振り子が囚人に迫り、最終的に地面に開けられた深い落とし穴へと突き落とすという、ポーの小説に登場する「落とし穴と振り子」でした。かくして、アントニオは想像を絶する恐怖に直面することになります。

キャスト

本作を彩る主要キャストは以下の通りです。

トルケマダ：ランス・ヘンリクセン
マリア：ローナ・デ・リッチ
アントニオ：ジョナサン・フラー
エスメラルダ：フランセス・ベイ
メンドゥーサ：マーク・マーゴリス
フランシスコ：ジェフリー・コムズ
ゴメス：スティーヴン・リー
ドン・カルロス：トム・トウルズ
ウェッソ：ウィリアム・J・ノリス
アルバ・マリナ伯爵夫人：キャロリン・パーディ＝ゴードン
枢機卿：オリヴァー・リード
死刑執行人：ベニート・ステファネリィ
屠殺人：ジェフリー・コプルストン

リリースと評価

本作は1991年夏にホームビデオが発売される以前に、いくつかの映画祭で限定的に上映されました。その後、2000年にはフルムーン・フィーチャーズからDVDがリリースされましたが、著作権上の問題により廃盤となり、後に同監督の作品を含む「スチュアート・ゴードン・ボックスセット」の一部として再流通しました。2011年にはEcho Bridge Home Entertainmentから改めてDVDがリリースされ、さらに2013年にはフルムーン・フィーチャーズおよびイギリスの88 FilmsからBlu-ray版も発売されています。

批評家からの評価は分かれています。レビュー集積サイトRotten Tomatoesでは、9件のレビューに基づき、支持率56％、10点満点中平均6.1点、「Rotten」（腐敗）の判定となっています。

関連事項

恐怖の振子：1961年に製作されたロジャー・コーマン監督によるホラー映画。本作の直接的なリメイク元にあたります。

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