ホセ・バルベルデ

ホセ・ラファエル・バルベルデ：ドミニカが生んだ剛腕クローザー

ホセ・ラファエル・バルベルデ（José Rafael Valverde, 1978年3月24日 - ）は、ドミニカ共和国サンペドロ・デ・マコリス出身のプロ野球選手（投手）です。その愛称「Papa Grande（パパ・グランデ）」は、スペイン語で「大きな芋」を意味します。

プロ入りからダイヤモンドバックス時代

1997年、バルベルデはアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約し、プロとしてのキャリアをスタートさせました。マイナーリーグ時代からクローザーとして起用され、その才能を開花させていきます。

2003年6月1日、当時のクローザー、マット・マンタイの故障を機に、メジャーデビューを果たしました。この年、54試合に登板し、防御率2.15、10セーブを記録。新人選手としてはリーグ最多のセーブ数を誇りました。また、奪三振率12.70は、メジャー全体でもエリック・ガニエに次ぐ高さでした。

その後もクローザーとしてチャンスを得るものの、フルシーズンを通して安定した成績を残すことができませんでしたが、2006年には開幕からクローザーとして起用され、5月には17回のセーブ機会で14回成功させました。しかし、5月下旬から調子を崩し、中継ぎに降格。マイナー降格も経験しましたが、8月にメジャーに復帰し、9月からは再びクローザーとして活躍しました。

2007年は、年間を通してクローザーとして活躍し、7月10日にはオールスターゲームに初めて選出されました。この年、球団新記録となる47セーブを挙げ、ナショナル・リーグの最多セーブ投手となりました。

アストロズ時代

2007年12月14日、チャド・クオルズ、フアン・グティエレス、クリス・バークとのトレードで、ヒューストン・アストロズへ移籍。

2008年は、クローザーとして自己最多の74試合に登板。防御率は3.38とやや悪化しましたが、高い奪三振率10.38を維持し、44セーブを記録。2年連続でナショナル・リーグの最多セーブを獲得しました。

2009年は、シーズン序盤に故障者リスト入りしたものの、防御率2.33、25セーブをマークし、クローザーとしての役割を果たしました。

タイガース時代

2010年、前半戦は防御率0.82と好投し、オールスターにも選出されましたが、後半戦はスプリッターの制球が定まらず、防御率6.38と大きく崩れ、セーブ失敗も続きました。

2011年は、両リーグ最多となる49セーブを記録し、セーブ成功率は驚異の100%でした。10月5日には、年間最優秀救援投手に選出されました。

2012年4月5日の開幕戦でセーブに失敗し、前々年から続いていた連続セーブ成功試合数が51で途絶えました（当時歴代3位）。その後、FAとなり、2013年4月4日にタイガースと再契約しましたが、6月に40人枠を外れ、マイナー契約となりました。8月7日には自由契約となっています。

メッツ時代とその後

2014年2月12日、ニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、3月26日にメジャー契約に移行。しかし、21試合に登板後、5月26日に放出されました。

2015年には、サンディエゴ・パドレス、ワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結びましたが、メジャー昇格は叶わず。同年8月には、禁止薬物の陽性反応が検出され、80試合の出場停止処分を受けました。

その後は、メキシカンリーグなどでプレーし、2019年を最後に現役を引退しました。

投球スタイル

バルベルデは、球の出所が見えにくい独特なフォームから、90mph後半の伸びのあるフォーシームを高めに、140km/h台前半のスプリッターを低めに投げ込み、三振を奪うスタイルです。特にスプリッターは、手元で小さく落ちるため、高めに浮くと本塁打を浴びやすいという特徴がありました。

タイトル・表彰・記録

ナショナルリーグ 最多セーブ投手：2回（2007年、2008年）
アメリカンリーグ 最多セーブ投手：1回（2011年）
最優秀救援投手：2回（2007年、2011年）
MLBオールスターゲーム選出：3回（2007年、2010年、2011年）

ホセ・バルベルデは、その独特なキャラクターと、エネルギッシュな投球で、多くのファンを魅了しました。

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