ホセ・フェリクス・エスティガリビア・インサウラルデ

ホセ・フェリクス・エスティガリビア：チャコ戦争の英雄、パラグアイ元帥

ホセ・フェリクス・エスティガリビア・インサウラルデ（José Félix Estigarribia Insaurralde）は、1888年2月21日にパラグアイのカラグアタイで生まれ、1940年9月7日に死去しました。彼はパラグアイの軍人、政治家であり、チャコ戦争における勝利と、その後の大統領就任で知られています。

生涯

エスティガリビアは、農民であり銀細工師でもあったマテオ・エスティガリビアの息子として生まれました。恵まれた環境ではありませんでしたが、トリニダードの大学で農学を修めました。1910年に軍に入隊し、チリとフランスのサン・シール陸軍士官学校で軍事教育を受けました。これらの教育を通じて、彼は軍人としての基礎を築き、後の活躍への準備をしました。

チャコ戦争での活躍

チャコ戦争（1932年 - 1935年）が勃発すると、当時大佐であったエスティガリビアは、第1歩兵師団を指揮し、その優れたリーダーシップを発揮しました。彼は准将、次いで少将へと昇進し、エウセビオ・アヤラ大統領の支持を得て陸軍参謀長に就任し、戦争の指導にあたりました。彼の戦略的な才能と決断力は、パラグアイ軍を勝利に導く上で重要な役割を果たしました。
1935年にアスンシオンに戻ったエスティガリビアは、チャコ戦争を勝利に導いた英雄として国民から熱烈な歓迎を受け、その功績を称えられ、年金12000ペソが贈られました。

その後

しかし、1936年2月17日にラファエル・フランコ大佐がクーデター（二月革命）を起こし、アヤラ大統領が失脚すると、エスティガリビアは陸軍参謀長の地位を解任されました。その後、彼はパラグアイ大使としてアメリカに派遣されました。この時期は、彼にとって政治的な転換期であり、新たな道を模索する時間となりました。

1939年の選挙で、エスティガリビアはパラグアイ自由党から出馬し、大統領に当選しました。同年8月15日に大統領に就任し、国家の指導者として新たな責任を担うことになりました。しかし、1940年2月19日、彼は「わが国家は恐ろしい無政府状態に陥りつつある」と宣言し、憲法を停止して上院を解散し、独裁体制を確立しました。この決断は、国内の政治的な安定を目指したものでしたが、同時に批判も浴びることとなりました。

突然の死

1940年9月7日、エスティガリビアは妻と共にパラグアイ国内を飛行機で移動中、アガプエイで搭乗機が墜落し、死亡しました。彼の突然の死は、パラグアイ国民に大きな衝撃を与えました。

死後、イヒニオ・モリニゴ将軍が政権を継承し、エスティガリビアは元帥の称号を追贈されました。彼はアメリカ大陸で最も著名で輝かしい経歴を持つ軍人の一人として、その名を知られています。

ホセ・フェリクス・エスティガリビアは、チャコ戦争での英雄的な活躍と、その後の政治的な決断を通じて、パラグアイの歴史に大きな足跡を残しました。彼の生涯は、軍人、政治家としての成功と挫折、そして国家への貢献を物語っています。

もう一度検索