ホタテマン

ホタテマンとは

ホタテマンは、1980年代にフジテレビ系で放送された人気お笑い番組『オレたちひょうきん族』に登場した、安岡力也扮するキャラクターです。グループサウンズ出身で悪役俳優としても活躍していた安岡力也にとって、テレビタレントとしての代表作となり、後にレコードも発売され大ヒットを記録しました。

ホタテマンの姿

ホタテマンは、ホタテ貝から手足が生えたような独特な着ぐるみ姿をしています。顔には悪役プロレスラー風のペイントが施されており、着ぐるみには傷跡、腕にはエルビス・プレスリー風のウェスタンファッション特有の水切りが付いているなど、細部にまでこだわったデザインが特徴的です。胸には「ホタテマン」と書かれた名札が付けられています。

ホタテマン誕生秘話

1982年11月20日の『オレたちひょうきん族』のコント劇に安岡力也がゲスト出演した際、タケちゃんマンを呼ぶ道具である「ホラ貝」を「ホタテ貝」と言い間違えたことがきっかけでした。共演者に冷やかされた安岡が「何だと？そんなにおかしかったのかよ！」と激怒し、スタジオセットを破壊する大騒動を起こしました。この騒動の原因については、「後輩に馬鹿にされたと思い込んだ」「わざとボケた」「怒ったふりをしてビビらせた」「打ち合わせ通りの演技」など諸説ありますが、真相は定かではありません。

この「力也がホタテ貝に絡んで大暴れ」するシーンが話題となり、安岡は「ホタテマン」として番組にレギュラー出演するようになりました。番組内で誰かが「ホタテ」という言葉を口にするたびに、映画『ジョーズ』のテーマ曲に合わせて安岡が登場し、大暴れする演出が定番となりました。当初は生身の安岡が暴れていましたが、番組内で「力也＝ホタテ」というイメージが定着したことで、着ぐるみを着た「ホタテマン」というキャラクターに変化しました。

その後、同じパターンの繰り返しに飽きられたと判断されると、ホタテマンは一瞬だけ登場する「出落ち」要員となります。そして、榎本三恵子演じる「ハチの三恵子」に一目惚れし猛アタックの末に結婚。榎本とともに番組を降板することになりました。しかし、番組最終回にはゲスト出演を果たしています。

安岡が後に不祥事で逮捕された際には、ワイドショーの女性レポーターから「ホタテマンとして子供たちに夢を与えてきたのに、こんなことをして申し訳ないと思いませんかね？」と質問されたというエピソードも残っています。

レコードリリースと大ヒット

1983年5月5日には、「ホタテのロックン・ロール」がワーナー・パイオニア（現：ワーナーミュージック・ジャパン）から発売されました。この曲は、内田裕也、横澤彪、城悠輔という豪華な作詞陣と、加瀬邦彦が作曲、当時駆け出しだった小室哲哉がアレンジを担当したコミックソングでした。最終的に32万枚を売り上げる大ヒットとなり、ホタテの宣伝に貢献したことで北海道のホタテ漁業組合から表彰されています。

この曲は、『まんがジョッキー』の主題歌「マンジョキロックンロール」を改変したもので、作詞・作曲は同じコンビが担当しています。また、サンヨー食品の「サッポロ一番ほたてラーメン」や、かねてつ食品の「ほたて風味フライ」のテレビCMにも出演し、人気を博しました。

他にも、BASFジャパンのハイポジション（クロムポジション）用コンパクトカセットテープ「CR-X」の広告に写真のみで出演しています。

また、柏レイソルの応援歌がこの曲に似ているという指摘もあります。

関連情報

* 関連項目: オレたちひょうきん族, 安岡力也

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