ホッチキス QF 3ポンド砲

ホッチキスQF3ポンド砲：多用途に活躍した速射砲

ホッチキスQF3ポンド砲は、19世紀後半に開発された47mm速射砲であり、その迅速な発射速度と軽量さから、多岐にわたる用途で活躍しました。この砲は、当初水雷艇などの小型艦艇に対する防御を目的として1886年に開発されました。

艦載砲としての役割

初期のホッチキスQF3ポンド砲は、主に艦載速射砲として採用されました。その高い発射速度は、当時の水雷艇のような小型で高速な目標に対して効果的であり、艦隊の防御能力向上に大きく貢献しました。しかし、その活躍は艦艇にとどまらず、陸上や臨時の高射砲としても活用されました。

日露戦争での転用

日露戦争において、ロシア軍はホッチキスQF3ポンド砲を陸上でも使用しました。しかし、塹壕戦が主体となったこの戦いでは、その能力が十分に発揮されることはありませんでした。そこで、ロシア軍将校のレオニード・ゴビャートは、この砲の可能性を最大限に引き出すため、砲弾を砲口から挿入する急造の迫撃砲を考案しました。この改造によって、ホッチキスQF3ポンド砲は日本軍の塹壕を攻撃する新たな兵器として生まれ変わりました。

陸軍での運用と退役

第一次世界大戦の頃には、海軍での使用はほとんどなくなり、陸揚げされた砲は陸軍へと転用されました。塹壕戦での使用が試みられましたが、砲のサイズと重量が大きすぎたため、すぐに新設計の迫撃砲が登場することになりました。その後、1922年9月には、口径を2mm縮小した45mm砲の開発が始まり、ホッチキスQF3ポンド砲は完全に退役することになりました。

様々な場所で使用された汎用性の高さ

ホッチキスQF3ポンド砲は、艦艇、陸上、高射砲、さらには迫撃砲として多岐にわたる役割を担った、非常に汎用性の高い兵器でした。その登場から退役まで、時代の変化と共に様々な戦場でその姿を見ることができました。この砲は、速射砲という概念が確立された初期段階における重要な兵器であり、その後の兵器開発にも影響を与えたと考えられます。

ホッチキスQF3ポンド砲の変遷

1886年: 水雷艇防御用として開発。
日露戦争: ロシア軍が陸上で使用、迫撃砲への転用も試みられる。
第一次世界大戦: 海軍での使用が減少し、陸軍へ転用。
1922年: 45mm砲の開発開始により完全に退役。

ホッチキスQF3ポンド砲の主な仕様

口径: 47mm
重量: 不明
発射速度: 不明

関連情報

British Hotchkiss 3-pdr (1.4 kg) - 1.85"/40 (47 mm) - QF Marks I and II

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