ホテルグランドパレス
ホテルグランドパレスは、かつて
東京都千代田区飯田橋に存在した
ホテルです。
パレスホテルチェーンの一員として、長年にわたり多くの人に利用されてきました。しかし、2021年6月30日をもって、その歴史に幕を閉じました。
1969年12月、首都圏における国際
ホテルの需要の高まりを受け、パレス
ホテルは九段下に約7800㎡の土地を取得し、姉妹
ホテルの建設を決定しました。パレス
ホテルを中心に、阪急グループ、
富士銀行、
三和銀行などの出資により、
資本金5億円で運営会社「
ホテルグランドパレス」が設立され、
1972年2月20日に開業しました。
開業当初の日本経済は、
ニクソン・ショックや円切り上げ、
オイルショックなどの影響で低迷しており、グランドパレスの経営も苦戦を強いられました。しかし、
株主や
金融機関からの支援、全社一丸の経営努力、景気回復などの要因が重なり、
1977年頃には黒字化を達成しました。
地上24階、地下5階建ての高層建築である
ホテルには、
スイートルーム4室を含む全458室の客室、7つのレストラン&バー、大小20の宴会場、ウェディング
チャペル、神前式場、テナントなどが備わっていました。特に、22階にある
スイートルームは、特別な空間を演出していました。
また、
ホテルグランドパレスは、
プロ野球ドラフト会議の会場としても有名で、
1976年から
1988年まで13回、そして1996年にも会場として使用されました。プロボクシングの世界タイトルマッチ関連の記者会見などが行われることも多く、ボクシング関係者からも親しまれていました。
営業終了
2021年2月9日、新型コロナウイルス感染症の拡大による経営環境の悪化と、施設の老朽化を理由に、2021年6月30日をもって営業を終了することが発表されました。運営会社は、何らかの形で存続させることも視野に入れていると報じられていましたが、最終的には営業終了となりました。
その後、
ホテルグランドパレスの跡地利用について、
三菱地所、
三菱地所レジデンス、阪急阪神不動産、
東宝の5社が基本協定を締結し、複合ビルの建設が進められることになりました。
三菱地所は、このプロジェクトのために専属チーム「九段開発室」を設置しました。
施設
ホテルには、以下のような施設がありました。
イベントルーム・宴会場
- - ダイヤモンドルーム:829m2(251坪)、天井高6m
- - 白樺・鶴・亀:512m2(156坪)
- - ゴールデン:361m2(109坪)
- - チェリー:309m2(94坪)
- - 松:284m2(86坪)
- - 白樺:256m2(78坪)
- - 牡丹・あやめ:174m2(53坪)
- - 桂・橘:174m2(53坪)
- - 桐・葵:153m2(47坪)
- - 芙蓉:137m2(40坪)
- - 鶴・亀:128m2(39坪)
- - 菊:107m2(33坪)
- - シルバー:101m2(31坪)
- - 牡丹:88m2(27坪)
- - あやめ:86m2(26坪)
- - 桂:88m2(27坪)
- - 橘:86m2(26坪)
- - 蘭:72m2(22坪)
- - パール:42m2(13坪)
- - 百合:33m2(10坪)
- - イベントルーム「四季」:277m2(84坪)
レストラン
- - クラウンレストラン(フランス料理):23階
- - 千鳥(鉄板焼):23階
- - クラウンラウンジ:23階
- - カトレア(西洋料理レストラン&カフェ、ケーキ&ベーカリー):1階
- - ジュリー(ケーキ&ベーカリー):1階
- - 千代田(日本料理):地下1階
- - 萬壽苑(中国料理):地下1階
その他、フィットネスルーム、
チャペル&ウェディングガーデン、神前式場、美容室、写真室、ビジネスセンターなどが利用可能でした。
アクセス
関連事件
ホテルグランドパレスでは、過去にいくつかの事件が発生しています。
1973年8月8日、韓国の政治家である
金大中氏が、
ホテルに滞在中に
拉致されるという事件が発生しました。この事件は、後に大きな政治問題となりました。
住吉連合会と寄居一家の抗争事件
1989年9月30日には、
ホテルのロビーで暴力団同士の抗争事件が発生し、銃撃事件によって負傷者が出ました。
脚注
[1] パレス
ホテル編『株式会社パレス
ホテル50年のあゆみ』パレス
ホテル、2013年4月。
外部リンク