ホデリ

火照命（ホデリノミコト）

概要

火照命は、日本神話において、天孫降臨した瓊瓊杵尊（ニニギノミコト）と木花開耶姫（コノハナサクヤビメ）の間に生まれた第一子として『古事記』に登場します。一般には「海幸彦（うみさちひこ）」として知られています。

瓊瓊杵尊と木花開耶姫の子に関する記述は、『古事記』と『日本書紀』で異なっており、特に兄弟の構成や名前が異なります。

• - 『古事記』における記述

- 第一子：火照命（ホデリ、海幸彦）
- 第二子：火須勢理命（ホスセリ）
- 第三子：火遠理命（ホオリ、山幸彦、日子穂穂手見命（ヒコホホデミノミコト）とも）

• - 『日本書紀』における記述

- 本文
- 第一子：火闌降命（ホスソリ、海幸彦）
- 第二子：彦火火出見尊（ヒコホホデミ、山幸彦）
- 第三子：火明命（ホアカリ）
- 一書
- 海幸彦：火酢芹命（ホスセリ）
- 山幸彦：彦火火出見尊（または火折尊）

『日本書紀』によると、海幸彦である火闌降命は、隼人の祖である阿多君（アタノキミ）とされています。

火照命の誕生には、天孫降臨の際に木花開耶姫が一夜で身ごもったことを瓊瓊杵尊に疑われたというエピソードがあります。その疑いを晴らすために、火中で出産を行い、生まれた三神の第一子が火照命です。火が盛んに燃え立つ中で生まれたため、その名が付けられました。

神話での記述

海幸彦（火照命）は、海で魚を獲るなどして生活していました。一方、弟の山幸彦（火遠理命）は山で狩りなどをして暮らしていました。ある日、山幸彦は互いの道具を交換することを提案し、海幸彦は最初は断りましたが、最終的に短期間だけ交換することに同意しました。しかし、山幸彦は海で釣針を失くしてしまい、海幸彦は激怒し、これを許しませんでした。その後、山幸彦は海神から復讐の方法と呪具を与えられて帰還し、海幸彦を苦しめ、最終的に服従させました。

この神話は、隼人や熊襲といった古代の部族の平定や服従を象徴的に描いたものと解釈されています。

神名について

「ホデリ」の「ホ」は「火」を意味し、「照」は火が赤く照り輝く様子を表しています。「スセリ」は「進む」という意味で、「ホスセリ」は「燃焼が進む」という意味になります。

脚注

• - 『古事記』、『日本書紀』を参照。
• - 神話の解釈には諸説あります。

関連項目

• - 日本の神の一覧

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