ホブカークスヒルの戦い

ホブカークスヒルの戦い

ホブカークスヒルの戦い（Battle of Hobkirk's Hill）は、1781年4月25日にアメリカ独立戦争の一環としてサウスカロライナ植民地キャムデン近くで発生しました。この戦闘はしばしば第二次キャムデンの戦いとも呼ばれ、南部戦線における大陸軍とイギリス軍の交戦を象徴する重要な出来事となりました。

背景

この戦闘の背景には、ギルフォード郡庁舎の戦い後、イギリス軍本隊が消耗し補給を必要とする状況がありました。チャールズ・コーンウォリス卿は、補給物資を求めて軍隊をノースカロライナのウィルミントンへ移動させる指示を出しました。一方、大陸軍のナサニエル・グリーン将軍は、イギリス軍を南カロライナへと追い込み、自軍に有利な場所での戦闘を企てました。

グリーンは、彼の軍隊を分散しているイギリス軍の守備隊に圧力をかけることで、敵をチャールストンへと引き込むことを目指しました。そのために、4個連隊および騎兵隊を含む1,450名の兵士を率い、キャムデンに向けて迅速かつ隠密に進軍しました。この時、サウスカロライナにいるゲリラ部隊との連携を確保し、攻勢をかける準備を整えていました。

キャムデンにはフランシス・ロードン卿が指揮するイギリス軍の守備隊が駐留しており、ここには数種類の歩兵連隊やロイヤリスト部隊などが含まれていました。キャムデンの町は防御に適した地形にあり、イギリス軍はその位置を固めていました。しかし、グリーンはキャムデンの約1.5マイル離れたホブカークスヒルで陣を張ることにしました。

戦闘の経過

1781年4月25日の早朝、グリーンの部隊はイギリス軍との接触を探っていました。一方、ロードンは大陸軍が砲兵隊を欠いていると考え、キャムデンの安全な位置を離れる決断を下しました。彼は900名の兵士を率いて出発しましたが、その朝に大陸軍の砲兵隊がホブカークスヒルに戻っていたことは知られていませんでした。

午前11時頃、大陸軍の兵士たちが料理や洗濯に忙しい中、イギリス軍の前哨部隊が接近します。グリーンは前哨部隊を指揮するカークウッド大尉と連携し、イギリス軍の動きを遅延させる時間を稼ぎました。その隙に、グリーンは自軍を適切な配置に置きました。

両軍が準備を整えた後、ロードンは慎重に敵に迫ってきます。グリーンはイギリス軍の前線を突く命令を下しました。右翼から左翼に回り込み、敵の側面を攻撃しようとする地形を利用した攻勢が展開されました。戦闘が歯切れよく進行する中、メリーランド連隊がイギリス軍の左翼に向かって進軍中に指揮官が戦死し、混乱が広がります。

その後、イギリス軍は一瞬の隙を作ったことで前進し、大陸軍は撤退を余儀なくされました。イギリス軍はこの戦闘で戦術的勝利を収めたものの、その後の戦略的勝利は大陸軍にありました。実際、グリーンの戦略は成功を収め、イギリス軍はその後チャールストンへと後退しました。

この戦闘は南部戦線の動向を変える重要な局面となり、後に第7代アメリカ合衆国大統領となるアンドリュー・ジャクソンもその戦闘を目撃したことが記録されています。この戦いはアメリカ独立戦争において重要な意義を持つものであり、歴史に刻まれることとなりました。

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