ホルシムグループ

ホルシム：世界を支える建材企業の歩み

ホルシム社は、スイス・ザンクト・ガレン州を拠点とするグローバル企業であり、セメント、骨材、コンクリートといった建設資材の製造・販売において世界をリードする存在です。メキシコのセメックス社と並んで、セメント業界の双璧をなす企業としてその名を知られています。スイス証券取引所とユーロネクスト・パリに上場しており、世界90カ国以上で事業を展開する巨大企業です。

統合による巨人の誕生

現在のホルシム社は、2015年7月、スイスのホルダーバンク社（旧ホルシム）とフランスのラファージュ社の経営統合によって誕生しました。それぞれの歴史を紐解くと、両社の規模と歴史の長さが、今日のホルシム社の基盤となっていることが分かります。

ホルシム（旧ホルダーバンク）の歴史

1912年、スイスのアールガウ州でホルダーバンク社として創業。その後、1958年にはスイス証券取引所に上場を果たし、着実に成長を遂げました。2001年には社名を現在のホルシムに変更。2005年には、インドのACCやイギリスのアグリゲイト・インダストリーズなど、数々の企業買収を行い、グローバルな事業展開を加速させました。

ラファージュの歴史

ラファージュの歴史は1833年にフランスで始まりました。当初は石灰石の採掘からスタートした同社は、1864年にはスエズ運河建設に石灰を供給するなど、早くから国際的な事業展開に着手。1887年には最初のセメント工場を設立し、その後、1956年にはカナダに進出するなど、グローバル化を積極的に推進してきました。カナダセメントの買収や、イギリスのRedland、ブルーサークルといった企業の買収を通じて、その事業規模を拡大。1980年代には、フランスの大企業グループであるGBL（グループ・ブリュッセル・ランバート）の影響下に置かれ、その後の成長に大きな影響を与えました。また、1997年にはイギリスの砕石会社Redlandを買収、2001年には日本の麻生セメントに資本参加するなど、世界規模での事業展開を進めてきました。

統合とその後

2014年4月、ホルシムとラファージュの経営統合が発表され、翌2015年7月には統合が完了。「ラファージュホルシム」として新たなスタートを切りました。その後、2016年には3Dプリンターを用いたコンクリート構造部材の製作技術を発表するなど、技術革新にも積極的に取り組んでいます。統合後、ISILへの資金提供疑惑などが発覚し、CEO交代などもありましたが、2021年には社名を現在の「ホルシム」に変更し、新たな体制で事業を展開しています。

主要グループ企業

ホルシムグループは、世界中に多くの関連会社を擁しています。その中には、Holcim Inc.（アメリカ）、Lafarge North America Inc.（アメリカ）、Aggregate Industries（イギリス）、LafargeHolcim Russia（ロシア）、Huaxin Cement Company Ltd.（中国）、ACC Limited（インド）など、各国を代表する企業が含まれています。これらの企業が、世界中のインフラ整備や建設事業に貢献しています。

ホルシムの未来

ホルシムは、その長い歴史とグローバルな事業展開によって、世界中の建設業界に大きな影響力を持っています。今後、持続可能な開発目標（SDGs）への取り組みや、デジタル技術の活用などを通して、さらなる成長と社会貢献が期待されています。その動向から目が離せません。

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