ホレブ山

ホレブ山：聖書の舞台、神聖な山

ホレブ山は、旧約聖書の申命記に登場する山で、モーセが神（ヤハウェ）から十戒を授けられた場所として知られています。出エジプト記や列王記では「エロヒムの山」、または「YHWHの山」とも呼ばれています。現在のエジプト・シナイ半島に位置するジェベル・ムーサ（モーセの山、標高2,291m）が、一般的にホレブ山であると考えられています。

シナイ山との関係

聖書には、ホレブ山ではなくシナイ山で十戒が授けられたと記述されている箇所もあります。このため、多くの学者はシナイ山とホレブ山を同じ場所の別名であると解釈しています。しかし、少数意見として、これらが異なる場所だった可能性も指摘されています。

宗教改革者のジャン・カルヴァンは、シナイ山とホレブ山は同一の山であり、その東側をシナイ山、西側をホレブ山と呼んだと述べています。また、アブラハム・イブン・エズラは、山は一つでありながら、「2つの頂があり、それぞれ異なる名前が付けられていた」と唱えています。

聖カタリナ修道院周辺の地域では、近隣の「柳の峰（Willow Peak）」を聖書のホレブ山と見なすという説もあります。

名前の由来

「ホレブ」という名前は、「輝き」や「熱」といった太陽に関連する意味を持つと考えられています。一方、「シナイ」は古代メソポタミアの月の神であるシンの名前に由来するという説があり、ホレブ山が太陽の山、シナイ山が月の山を象徴するという解釈も存在します。

他の預言者との関わり

ホレブ山は、モーセだけでなく、他の預言者たちにとっても重要な場所でした。預言者エリヤは、列王記においてホレブ山で神（ヤハウェ）と出会っています。

関連情報

• - モーセの十戒
• - シナイ山

ホレブ山は、聖書における重要な出来事の舞台であり、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教徒にとって神聖な場所とされています。その歴史的、宗教的な意義は深く、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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