ホワイトアバリオ

ホワイトアバリオ（White Abarrio）は、2019年3月18日にアメリカで生まれた競走馬です。2022年のフロリダダービー、2023年のホイットニーステークス、そしてブリーダーズカップ・クラシックを制覇するなど、数々の輝かしい戦績を誇ります。

デビュー前

ホワイトアバリオは、2020年のOBSウインターミックスセールにおいて7,500ドルで取引されました。その後、2021年のOBS3月セールで4万ドルで転売され、その才能が注目されることとなります。

2歳から3歳時代

当初、ホワイトアバリオはカルロス・ペレス調教師が率いるクラップエンブロイダリーに所属していました。しかし、デビュー戦での圧勝が関係者の目に留まり、C2レーシングに「6桁の数字」で非公開取引され、サフィー・ジョセフ厩舎へと移籍します。この移籍が、彼の競走馬としてのキャリアを大きく飛躍させる転機となりました。

移籍後、G3レースを楽勝し、4戦3勝の好成績でフロリダダービーに臨みました。このレースでも見事勝利し、ケンタッキーダービーへの出走権を獲得しますが、結果は16着と惨敗。その後は、勝ちきれないレースが続きました。

4歳時代

古馬となり、初戦のペガサスワールドカップでは8着に終わります。しかし、続く3月の短距離戦で久しぶりの勝利を挙げ、陣営はマイルG1メトロポリタンハンデキャップに目標を定めました。しかし、その矢先にチャーチルダウンズ競馬場で厩舎所属の2頭の馬が相次いで突然死する事故が発生。当時、チャーチルダウンズ競馬場では馬の死亡事故が多発しており、サフィー・ジョセフ厩舎は無期限の出走停止処分を受けることとなります。ホワイトアバリオの主戦場である東海岸での出走には影響はなかったものの、馬主は出走機会の減少を懸念し、リチャード・ダトロー・ジュニア厩舎へ転厩させる決断をしました。（その後、検死の結果、馬に問題はなかったことが判明し、ジョセフ調教師への処分は解除されています）。

転厩初戦のメトロポリタンハンデキャップでは3着に敗れたものの、ダトロー調教師の手応えは悪くありませんでした。続くホイットニーステークスでは、2番手追走から直線で抜け出し、当時6連勝中だったコディーズウィッシュなどの強豪を相手に、6馬身以上の差をつけて圧勝しました。この圧勝劇を受け、ダトロー調教師はホワイトアバリオを間隔を空けて走らせる方が良いという結論に至り、ブリーダーズカップ・クラシックに照準を絞ることに。前哨戦を使わず、当年の開催地である西海岸のサンタアニタパーク競馬場へ9月中旬に移動し、入念な調整が行われました。

迎えたブリーダーズカップ・クラシックでは、本命に支持されたホワイトアバリオは3番手から早めに進出し、直線で先頭に立ち、後続のデルマソトガケの追撃を1馬身差で振り切り、見事勝利を飾りました。

ホワイトアバリオの活躍は、困難を乗り越え、才能を開花させた競走馬の物語として、多くの競馬ファンを魅了し続けています。

もう一度検索