ホンダ・エディックス

エディックスの概要と魅力

エディックス（Edix）は、本田技研工業がかつて生産していたトールワゴン型の乗用車です。この車は、7代目シビック（EU型）を基にしたもので、最大6人が乗れる2列シートのミニバンとして設計されました。

デザインとシートアレンジ

エディックスの大きな特徴は、そのシートアレンジメントにあります。「3by2」という形式を採用し、すべてのシートが独立してリクライニング可能です。特に前席の中央と後席の中央は、大きくスライドできるため、前後の席との体の干渉をうまく避けることができます。これにより、乗車中の快適さが大幅に向上されています。前中央席を後方にスライドさせれば、大型エアバッグの干渉も回避でき、子供用シートを安全に設置することも可能です。また、運転中の視界にも配慮がなされており、ルームミラーの位置は運転席側にオフセットされています。そのため、前席に3人乗っていても運転しやすい設計となっています。

サイズとエンジン

エディックスは、同クラスの他のミニバンと比べて全長が200mm以上短く、4,285mmとなっていますが、車幅は1,795mmと広く、3ナンバーのサイズです。エンジンは初めにD17A型とK20A型の2種類が用意され、その後K24A型も追加されました。但し、D17A型は廃止されています。トランスミッションは、全モデルがATのみであり、主要なモデルには5速と4速の設定があります。

欧州向け仕様

この車は特に欧州市場向けに「Honda FR-V」としても販売されており、本革シートの選択肢が用意されていました。さらに、欧州向けには6速MTやディーゼルエンジンも搭載されたモデルがあり、日本国内仕様にはないバリエーションが豊富です。

販売と終息

エディックスは、前席に3人掛けシートを採用した独特な設計が特徴ですが、前期型では異例の1.7Lエンジンを搭載した17Xモデルも存在しました。また、3×2シートのコンセプトが日本の日常生活にはフィットしなかったため、販売は低迷しました。後期型ではエコカーの観点からも負担となる排気量があり、最終的にはこのモデルは1代限りでの販売に終わってしまいます。

名称の由来

この車の名前「エディックス」は、「EDIT」（編集）と「SIX」（6）を組み合わせた造語で、6人の乗客が多様なスタイルで楽しむことを意味しています。

競合モデル

競合としては、ホンダ・オデッセイやストリーム、モビリオなどが挙げられます。また、類似のコンセプトを持つ先駆けとして日産・ティーノも存在しています。

エディックスは2009年8月に販売を終了しましたが、ホンダの多様なニーズに応えるモデルの一つとして、その存在は記憶に残り続けるでしょう。

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