ホンダ・クライダー

クライダー（CRIDER）について

クライダーは、中国の自動車メーカーである広汽本田汽車が製造する小型セダンです。本田技研工業の合弁企業として運営されており、2013年に初代モデルが発表されました。クライダーは、2012年の北京モーターショーで紹介されたコンセプトモデル「Concept C」を基にした車種で、中国市場向けに特化して開発されています。

初代モデル（2013年 - 2018年）

初代クライダーは、2013年4月20日に上海モーターショーでお披露目され、その後6月26日から販売が開始されました。このモデルは、広汽ホンダの車種ラインナップにおいて、シティとアコードの架け橋となる存在です。

デザインにおいては、中国文化の象徴である龍を意識したスタイルが特徴的で、全長はシティよりも210mm長く、全高は1,500mmを超える高いボディを実現しています。これにより、広々とした室内空間と大容量の588リットルのトランクスペースが確保されています。

駆動系にはR18A型の1.8L直列4気筒SOHCエンジンが搭載され、出力は最大102kW、トルクは172N-mに達します。また、このモデルは、国IVおよび京V排出ガス規制に適合しており、環境への配慮もなされています。トランスミッションは5速マニュアルまたは5速オートマチックが選べ、燃費はそれぞれ6.5L/100km、6.7L/100kmとなっています。

2代目モデル（2018年 - ）

2018年9月28日、クライダーの2代目モデルが発表されました。このモデルでは、先代のデザイン理念を踏襲しつつ、リアクォーターウィンドウが追加され、よりダイナミックでスポーティーな印象を与えています。ボディカラーは全6色が用意されています。

内装においては、後席アームレストにテーブルが備えられ、センターコンソールとつながる独特のデザインが特徴です。さらに、全5グレード体系が設けられており、上位2グレードには安全運転支援システム「Honda Sensing」が標準装備されています。

ボディ剛性も先代に比べて向上しており、フロント部で60％、リア部で40％の剛性が強化されています。これにより、中国の自動車安全テスト「C-NCAP」での最高評価を得る水準に到達しています。最上級グレードには、先進的な車載通信モジュール「Honda CONNECT」が標準で搭載され、利便性も高まっています。

兄弟車について

2代目クライダーをベースにした兄弟車として「エンヴィックス」（ENVIX、中国での名称は享域）が、東風ホンダから販売されています。エンヴィックスは、2018年の広州モーターショーでのコンセプトモデル発表後、2019年上半期に中国市場に投入されました。基本仕様はクライダーとほぼ同様ですが、グレード構成やボディカラーが異なり、特有のフロントデザインやリアコンビランプのデザインが施されています。

エンヴィックスも全5グレードで構成されており、「Honda Sensing」は最上級グレードのみに設定されています。

名称の由来

「クライダー」という名前は、英語の「Criteria（基準）」と「Dream（夢想）」を組み合わせた造語であり、品質と夢の両方を兼ね備えた車としての意図が込められています。

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