ホンダ・パスポート

ホンダ・パスポート（Honda Passport）

ホンダ・パスポートは、ホンダが手がける中型SUVで、1993年からその歴史が始まりました。このモデルは、特に北米市場向けに設計され、時代ごとに進化を遂げています。

初代モデル（1993年 - 1997年）

初代パスポートは、本田技研工業といすゞ自動車との提携のもと、アメリカのインディアナ州にあるスバル・イスズ・オートモーティブ（SIA）で製造されました。このモデルは、いすゞ・ロデオのOEMモデルとして位置づけられています。エントリーモデルの「DX」は、2.6リッターの直列4気筒エンジンを搭載し、後輪駆動と5速マニュアルトランスミッションを特徴としました。一方、「LX」モデルはより強力な3.2リッターV型6気筒エンジンを搭載し、4輪駆動の選択肢も提供されました。「EX」は、同じく3.2リッターエンジンを備え、完全な4輪駆動形式でした。

2代目モデル（1997年 - 2002年）

2代目のパスポートも引き続きSIAで製造されましたが、このモデルからいすゞ自動車との提携関係が終了し、ホンダの独自開発による新しいSUVの登場準備が進められました。この時期、ホンダはアキュラ・MDXとの姉妹車となるパイロットを開発し、北米市場向けのSUV構成を一新しました。

3代目モデル（2019年 - 現在）

約16年の間隔を経て、パスポートは再び登場します。2018年11月、ロサンゼルスオートショーで初公開され、その後2019年2月から米国で販売が開始されました。新モデルはホンダ自社開発により実現し、米国のHonda R&D Americasで開発され、アラバマ州にある工場で生産されています。このモデルは、280 PSの最高出力と36.2 kgmの最大トルクを誇る直噴3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載し、9速オートマチックトランスミッションが組み合わされています。また、i-VTM4と呼ばれる全輪駆動システムを採用し、精緻なトルク配分が行われることも特筆に値します。さらに、先進運転支援システム「ホンダ センシング」を導入し、事故回避に向けた機能が充実しています。

フェイスリフトとトレイルスポーツバージョン

2021年9月22日には2022年モデルが発表され、エクステリアデザインが刷新されました。新しいボンネットや独自のグリルデザインが施され、より洗練された印象になっています。また、「パスポート トレイルスポーツ」というオフロード仕様も追加され、より過酷な使用に耐えられる性能が強調されています。オフロードに適した設計が施され、特別なデザインのフロントグリルや、トレッド幅を広げたことで、さらに高い機動性が得られます。

車名の由来

モデル名「パスポート」は、英語で「旅券、保証」という意味であり、冒険や移動の象徴とされています。

このように、ホンダ・パスポートはその初代から続く豊かな歴史を経て、現代においても多様なニーズに応えるモデルとして進化を続けています。

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