ホンダ・プレリュード

プレリュードの歴史

本田技研工業が1978年から2001年にかけて製造・販売したプレリュード（PRELUDE）は、2ドアノッチバックのクーペ型乗用車であり、その生涯にわたって日本の自動車界に多大な影響を与えました。特に、初代モデルがデビューした1978年は、電動サンルーフやABSといった先進技術を搭載したことで、他社の同モデルに先駆けて時代の流れを作り出しました。

プレリュードの概要

プレリュードは、1978年のベルノ店発足と同時に専売車両として登場しました。特に2代目（1982年）や3代目（1987年）は、そのスタイリングと機能から「デートカー」と呼ばれるほど若者に人気を博しました。これらのモデルは、スペシャルティカーのブームを象徴する存在としても知られています。バブル経済の崩壊後、車の趣向が変化し、ミニバンやRVの人気が高まる中、プレリュードは2001年に5代目をもって販売を終了しました。その後22年を経て、2023年のジャパンモビリティショーでは新たなコンセプトカーの姿が披露され、その復活が期待されています。

各モデルの特徴

初代 SN型（1978-1982年）

1978年11月に登場した初代プレリュードは、モノコックボディとサブフレーム一体型の構造により、優れたボディ剛性を誇っていました。特に操縦性に優れ、FFながらもアンダーステアを抑えた設計が評価され、当時の若者の支持を集めました。1980年のマイナーチェンジでは便利な電動サンルーフが搭載され、内装の質感も向上しました。

2代目 AB/BA1型（1982-1987年）

1982年に登場した2代目は、ダイナミックなデザインと最新の4WS（4輪操舵）技術を搭載したことで好評を博しました。特に女性からの支持を得たデザインは、当時の市場では斬新なものでした。新しいサスペンション技術の採用により、運転時の快適性と操縦性が向上しました。

3代目 BA4/5/7型（1987-1991年）

1987年にデビューした3代目は、引き続きデートカーとして大きな人気を誇りました。このモデルでは、機械式4WSが初めて搭載され、より高度な運転体験が提供されました。CMにも印象的なBGMが使われ、より多くのユーザー層を獲得しました。

4代目 BA8/9/BB1/2/3/4型（1991-1996年）

4代目はスポーツクーペへの転換が試みられ、リアのエンブレムもデザイン変更されるなど、新しい試みが反映されました。安全機能の充実とともに、ユーザーのニーズに合わせた進化を遂げました。

5代目 BB5/6/7/8型（1996-2001年）

最後の5代目は、居住性の向上とともに従来のプレリュードの特性を踏襲しましたが、発売当初からの人気は薄れ、21世紀初頭にその役割を終えました。2001年にはインテグラとの統合で販売を終了し、23年間の歴史に幕を下ろしました。

2023年の復活計画

2023年には、ジャパンモビリティショーにて新型プレリュードのコンセプト車両が発表されました。会社の社長は、このモデルが本格的な電動化時代におけるホンダのスポーツマインドを象徴するものであると語っています。将来の市販モデルに向けて期待が高まる中での新たなスタートが見込まれています。

プレリュードの歴史は、単なる乗用車の歴史ではなく、日本の自動車産業の発展とともに歩んだ文化の一部とも言えるでしょう。

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