ホンダ・ロゴ

ホンダ・ロゴ

ロゴはホンダが過去に生産した小型ハッチバック型の乗用車ですが、本車は日本国内市場向けのシティモデルの後継として1996年に登場しました。ロゴの開発にあたっては、前モデルでの実用性の欠如を反省点として、多くの部分で実用性と合理性を重視した設計がなされています。

概要

ロゴは、ボディデザインとドライブトレインにおいて実用主義を貫いた結果、外観は地味で印象に残らない凡庸なものとなってしまいました。しかし、その実用性を考慮した設計には確かな優位性も備わっていました。具体的には、革新的なCVT（無段変速機）の採用や、低中回転域での扱いやすさを主体としたエンジンの設計が挙げられます。特に、街中走行においてはそのトルク特性が発揮され、スムーズな加速が可能でした。

ところが、低速からのロールが大きく、FFモデルにおいてはスタビライザーが装着されていないため乗り心地に関しては批判も多くありました。徳大寺有恒氏は著書『間違いだらけのクルマ選び』の中で、時速80km以上での走行に関する危険性を指摘していました。それにより、ロゴ自体の市場での評価は必ずしも良好ではなく、最終的にホンダは後継車のフィットで基本コンセプトを一新し、コンパクトカー市場において成功を収めることになります。

ドライブトレインの特徴

ロゴのエンジンは、4代目シビックのD13B型を基にしており、実用的なトルク特性に設計されています。具体的には、吸排気バルブの数を減少させ、PGM-FI仕様とすることで低回転域での扱いやすさを向上させています。66PSの出力と11.3kgf·mのトルクを持ち、特に日常生活で使用される速度域でのトルクを重要視した設計がなされています。この設計思想は北米市場で販売されていたCIVIC CRX HFからの影響が見受けられます。実際に、ロゴは軽量なボディと優れたトルク特性を持つことで、街中での発進や登坂路でもスムーズな走行が可能となりました。

その他の特徴

ロゴのデザインは前期型がグリルレスでしたが、マイナーチェンジにより最終型では一般的なグリルに変更されています。また、前期型から後期型への移行に伴い、ボディの重量が増加することで衝突安全性も向上しました。

搭載エンジンには、D13B型が用いられ、最高出力は66PS。加えて、変速機には5速MT、3速AT、そしてホンダ独自のCVTが導入されました。これにより、エンジンの特性を活かしたドライブフィールが提供されています。

マイナーチェンジと市場の反応

1997年以降、ロゴは様々なマイナーチェンジを受け、エンジンや装備の改善が行われてきましたが、依然として売れ行きは芳しくありませんでした。最終的にロゴは2001年に生産を終え、後継車フィットの登場とともにその役目を終えます。この流れはホンダにとって、実用性とスタイルの両立を目指す新たな方向性を見出すきっかけともなりました。

車名の由来

ロゴという名称は、ラテン語の「Logos」から由来し、「意味」や「言葉」、「理性」といった意味を持ちます。ホンダはロゴを通じて、単なる移動手段ではなく、利用者の思いや生活に寄り添った車作りを目指していたといえるでしょう。

もう一度検索