ホンダ・CB1100

ホンダ CB1100：伝統と革新が織りなす、唯一無二の走りの魅力

ホンダが2010年から2017年にかけて製造販売していたオートバイ、CB1100。その魅力は、伝統的なスタイルと現代的な技術の融合にあります。東京モーターショーで発表されるやいなや大きな話題を呼び、発売後には大型二輪車クラスで国内販売台数1位を獲得するなど、多くのライダーから支持されました。

ゆったりとしたライディングポジションと力強いエンジン

CB1100の開発コンセプトは「散歩をするような感覚でゆったりと走る」こと。そのため、幅広でアップライトなハンドルを採用し、ライダーに快適なライディングポジションを提供します。前後18インチタイヤと、CB1300シリーズから流用された排気量1140ccの空冷4ストローク4バルブDOHC直列4気筒エンジンは、力強い走りと安定性を両立。最高出力や最高速よりも、心地よい走りを重視した設計が特徴です。

「CBシリーズ伝統の空冷エンジン」と謳われていますが、実際にはシリンダーヘッド周りの冷却効率を高めるため、独立したオイル冷却系統と大型オイルクーラーを備えています。この空油冷システムによって、空冷エンジンのメリットである軽量性と、信頼性の高い冷却性能を両立させています。

多彩なモデルバリエーションと進化

CB1100は、発売以来、数多くのモデルチェンジを経て進化を遂げてきました。

2010年モデルは、ハンドル形状の違いによるType IとType IIの2種類のグレードが設定されました。Type IIはType Iに比べてハンドルが狭く、低く、前方に配置されており、スポーティなライディングポジションが特徴です。どちらもABS搭載車を選択可能でした。

2011年モデルでは、無限とコラボした限定車「CB1100 無限エディション」や、特別仕様車「CB1100 Type I ABS・Special Edition」が登場。限定生産ならではの特別な装備が施され、多くのファンを魅了しました。

2012年モデルでは、Type IIの生産終了、BLACK STYLEの追加、シートへの新素材「e-cushion」の採用など、マイナーチェンジを実施。より快適でスタイリッシュなモデルへと進化しました。

2014年モデルは、トランスミッションを5速から6速へ変更、最大トルクの向上、燃費の改善など、走りの性能が向上。さらに、新たなモデルとしてCB1100 EXが登場。左右2本出しマフラー、スポークホイール、専用の燃料タンクなど、標準モデルとは異なる装備が特徴です。また、ABSモデルにはETC、グリップヒーターなどを標準装備したE Packageが追加されました。

2015年には、CB1100 EXの特別仕様車が限定発売。前後ホイールをアルミキャストタイプに変更するなど、より洗練されたモデルとなりました。

2017年モデルでは、平成28年排出ガス規制に対応。モデルバリエーションとしてCB1100 RSを追加、アシストスリッパークラッチを採用するなど、大幅な改良が行われました。CB1100 RSは、前後17インチホイール、ローハンドル、専用のサスペンションなど、スポーティな走りを追求したモデルです。また、全モデルで最高出力が向上し、燃費も改善されました。

2018年モデルは、CB1100 RSにブラック塗装を施した特別仕様車が登場。さらに、販売をホンダドリーム店限定とし、カラーバリエーションも変更されました。

まとめ

CB1100は、伝統的なスタイルと現代的な技術を融合させた、ホンダを代表する名車です。長きに渡り進化を遂げ、数多くのモデルバリエーションが展開されたことで、多くのライダーのニーズに応えてきました。その洗練されたデザインと快適な乗り心地、そして力強いエンジンは、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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