ホンダ・CR-X

CR-X（シーアール-エックス）

CR-Xは、本田技研工業が1983年に初代モデルを発表して以来、特異な魅力を持ち続けたクーペ型の小型乗用車です。ここでは、3つのモデルで構成されるCR-Xの歴史と特徴を詳しく解説します。これらは、初代の「バラードスポーツCR-X」、2代目の「CR-X」、そして3代目の「CR-Xデルソル」と呼ばれており、それぞれが独自のスタイルと性能を持っています。

初代：バラードスポーツCR-X (1983年-1987年)

初代モデルは、ホンダの小型車シビックの姉妹車として誕生しました。発売当初、ホンダはこの車を「FFライトウェイトスポーツ」として位置付け、軽量化を重視した設計が成されました。後ろの席がある2+2レイアウトが採用されており、内装は特にスタイリッシュで、前方視界の確保も考慮されています。

デザイン面では、ファストバックスタイルのボディを採用し、空気抵抗を低減する形状が特徴でした。さらに、ABS樹脂やポリカーボネートを用いた軽量材料の使用によって、車両の総重量を760kgから800kgに抑えています。そのためハンドリング性能は優れており、ドライバーのフィードバックも非常に丁寧に反映される設計となっています。

エンジンは、1.3Lと1.5Lの2種類が用意されており、日本国内外で異なる仕様が展開されました。特に、北米仕様の超低燃費モデル「CIVIC CRX HF」は秀逸な燃費性能を誇り、当時の低燃費写真のベンチマークとなりました。

2代目：CR-X (1987年-1992年)

1987年には、初代が進化した2代目CR-Xが登場しました。先代のデザインを踏襲しつつフラッシュサーフェスが採用され、全体的にワイドかつローなフォルムに仕上がっています。特に、後方視界を改善するために「エクストラウインドウ」が整備され、デザインの一体感が増しています。

エンジンラインナップも強化され、D15B型エンジンやB16A型エンジンを搭載した「SiR」モデルが販売されました。このエンジンは、高出力を実現しながらもバランスの取れた走行性能を提供します。

安全性も重視され、ABSの装備が選択可能になりました。外装や内装のバリエーションが豊富で、少量ながら特別仕様車も存在したため、コレクターやファンの間でも注目を集める存在となりました。

3代目：CR-Xデルソル (1992年-1999年)

ブランドの人気は続き、1992年に発売された3代目CR-Xデルソルは、従来のハッチバックスタイルからコンバーチブルに変身しました。特徴的なトランストップ機能により、スイッチひとつで屋根を収納することが可能で、開放感を楽しむ新しいスタイルを提供しました。このモデルは、初の電動オープントップを備えた小型車として位置付けられます。

エンジンにはさらに強力なB16A型エンジンが搭載され、最高出力は170PSに達し、この時代のスポーツカーとしての地位を確立します。外装はフェイスリフトにより洗練され、ユーザーの好みに応じたバリエーションが用意されていました。

結論

CR-Xシリーズは、そのユニークなスタイルと優れた性能で、日本の自動車史に名を刻む存在となりました。初代から続くそのDNAは、今も多くのファンから愛され続けています。CR-Xの名は、ホンダ車の魅力を象徴するものとして、私たちの記憶に残ることでしょう。

もう一度検索