ホンダ・FCXクラリティ

FCXクラリティ - 燃料電池自動車の先駆者

FCXクラリティは、本田技研工業が2008年にリース販売したセダン型の燃料電池自動車です。このモデルは、電気自動車に匹敵するゼロエミッションを実現しており、再充填もわずか5分で可能です。中型セダンとして、長距離の走行も期待できます。

概要

FCXクラリティは、ホンダが2002年に発売したFCXに続く、同社の二機種目の燃料電池車です。FCXがコンパクトハッチバックであったのに対し、クラリティは低床かつ低全高のセダンスタイルが特徴です。2007年11月15日、ロサンゼルスモーターショーで発表され、発表後には世界中から多くの注目を集めました。2008年6月から生産が開始され、同年7月にはアメリカでのリースが始まりました。そして、映画製作者のロン・イェクサが初のユーザーとして契約しました。リース料金は、アメリカで月額600ドル（約21,600ドルの3年間契約）でした。

日本では、政府機関および一部の法人のみが対象となり、月額84万円でリース開始。2009年と2010年には、箱根駅伝での公道走行試験も行われ、厳しい冬季条件下での走行性が確認されました。

経済性とリースの拡大

報告によると、FCXクラリティの生産コストは2005年の前世代と比較して大幅に削減され、1台あたり120,000ドルから140,000ドルにまで減少しました。アメリカでは南カリフォルニアを中心とした水素補給ステーションが整備され、それに伴いリースの地域が増えていきました。2010年時点で、50台がアメリカでリースされ、世界全体では約200台が利用されています。

仕様

FCXクラリティは、出力100kWのホンダ専用水素燃料電池を搭載し、電力供給が容易です。ブレーキや減速時のエネルギーは、モーターや発電機によって回収され、288Vのリチウムイオン蓄電池に充電されます。これにより、134馬力（100kW）の出力を持つモーターが静かでスムーズな加速を実現します。走行距離は、満タンの水素タンクで約240マイル（386km）と推定されており、エネルギー効率が非常に高いのが特徴です。

設計

FCXクラリティは2008年型アコードよりも約4インチ短く、運転席には革新が盛り込まれています。ダッシュボードに表示される指標は、水素消費量に応じて色やサイズが変わり、運転手は直感的に情報を把握できます。また、内装にはホンダ独自の植物性バイオ布が使用され、環境への配慮も伺えます。

生産

この車両の製造は、栃木県の四輪新機種センターで行われ、燃料電池は隣接するホンダエンジニアリングで生産されています。当初の計画では、3年間で合計200台の生産が見込まれていました。

運転費用

2009年の報告によると、カリフォルニア州内での水素製造コストは1kgあたり約5ドルから10ドルで、これは従来のガソリン車と比較しても競争力があります。FCXクラリティは、1kgの水素で約60マイルの走行が可能です。

FCXコンセプト

FCXクラリティの原型となるFCXコンセプトは、2005年の東京モーターショーで初めて公開されました。当初は商品化についての計画は明かされていませんでしたが、2006年に実際に走行したモデルが公開され、その後2008年に商品化が期待されました。FCXクラリティは、未来の自動車の在り方を示す先駆的なモデルとして、今後の発展に注目が集まります。

もう一度検索