ホンダ・HR-414E

ホンダ・HR-414Eエンジンの概要

ホンダ・HR-414Eは、2014年に本田技研工業が開発したスーパーフォーミュラ及びSUPER GTのためのエンジンです。このエンジンは、新しい車両規則に基づいて設計され、特に環境技術を重視している点が特徴です。また、搭載するエンジンには2.0Lの直列4気筒エンジンが採用されています。

開発の背景と技術的進化

スーパーフォーミュラ及びSUPER GTでは、2014年に大幅な車両規則の変更が行われ、これに伴い新たに開発されたのがHR-414Eです。開発にあたっては、ホンダの技術者たちが集結し、エンジンは「NRE」（Nippon Race Engine）という名前が付けられました。これはホンダが日本国内でレース用エンジンを開発する際のブランド名とも言えます。

2016年のシーズン後半からは、F1で使用されているプレチャンバー型燃焼室の技術が取り入れられ、より高性能なエンジンへと進化を遂げました。これにより、HR-414Eはさらに競技力を向上させることができました。

HR-414Eの後継エンジン

2017年には、そのマイナーチェンジ版となるHR-417Eが登場しました。2017年10月には東京モーターショーにて、HR-417Eが初めてエンジン単体で公開され、そのパフォーマンスが期待されました。このHR-417Eは、スーパーフォーミュラにおいて幅広く使用され続けており、ホンダの技術革新を象徴する存在となっています。

さらに2020年には、SUPER GT・GT500クラスに対応するための新型エンジンであるHR-420Eが投入されました。このエンジンも引き続き2700ccの排気量を維持し、特にパワー出力が550PS（405kW）以上を実現しています。HR-420Eは、エンジン管理システムにボッシュ製の技術を採用することで、さらなる性能向上が図られています。

エンジンスペック

HR-414EとHR-417E、HR-420Eはすべて水冷直列4気筒DOHC16バルブの設計です。排気量は共通の1,995ccであり、高回転域での最高出力は550PS以上を誇ります。過給機にはギャレット製ターボチャージャーが使用され、重量は85kgという軽量設計が施されています。HR-420Eでは最大トルクが50kg・m（490N・m）以上と設定されており、さらなる力強い出力が求められています。

結論

HR-414Eから始まったホンダのスーパーフォーミュラおよびSUPER GT用エンジンは、次々と進化を遂げており、特に環境技術や燃焼効率の向上が図られています。これらのエンジンは、今後も競技の世界でホンダの革新性を証明し続けることでしょう。2022年からはホンダ・レーシング（HRC Sakura）に開発が移管され、さらなる展開が期待されます。

もう一度検索