ホンダ・R型エンジン

ホンダ・R型エンジン

ホンダ・R型エンジンは、本田技研工業が開発した中型車向けの直列4気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、優れた燃費性能と高出力を両立することを目的に設計されており、その技術は現在でも多くのホンダ車に搭載されています。

機構

ホンダ・R型エンジンはD17AおよびB20Bの後継として開発され、各シリンダーには2つの吸気バルブと排気バルブが設けられています。これらのバルブは、タイミングチェーンで駆動されるカムシャフトによってロッカーアームで制御され、正確なタイミングで開閉されます。

エンジンの特長として、吸気側にi-VTEC技術を用いた可変吸気量制御が挙げられます。この技術により、ミラーサイクルとオットーサイクル間の切り替えが行われ、高出力と低燃費を実現しています。特にミラーサイクルでは、低負荷時に吸気バルブの遅閉じを使い、一度吸気した混合気を上昇行程でピストンに押し戻すことで効率を高めています。

エンジンのハイテク部分には、ドライブバイワイヤ技術が導入されており、スロットルの絞りが減少し、ポンピングロスを抑える役割を果たしています。シリンダーブロックのボアピッチはD型エンジンの84mmから88mmに拡大され、コンパクトかつ軽量化するために新しい設計が採用されています。さらに、ピストンはオイルジェットで冷却され、圧縮比は高められ、パフォーマンスを向上させています。

エキゾーストマニホールドは省略され、エンジンと三元触媒の距離を短縮することで、冷間時でも排気ガスの浄化が早く行われるよう工夫されています。これにより、軽量さとコンパクトさが両立されています。

歴史

ホンダ・R型エンジンは、2005年に発表された8代目シビックに初めて搭載されました。初代のR18Aは1,800ccの排気量を持ち、後に2006年には2代目ストリームにおいて、より大きな排気量のR20Aが登場しました。これにより、ホンダのエンジンラインアップのバリエーションがさらに豊かになりました。

バリエーション

• - R16A

- 弁機構：SOHC i-VTEC
- 排気量：1,595cc
- 圧縮比：10.5
- 参考スペック：最高出力91kW、最大トルク151Nm

• - R18A

- 弁機構：SOHC i-VTEC
- 排気量：1,799cc
- 圧縮比：10.5
- 参考スペック：最高出力103kW、最大トルク174Nm

• - R20A

- 弁機構：SOHC i-VTEC
- 排気量：1,997cc
- 圧縮比：10.6
- 参考スペック：最高出力115kW、最大トルク189Nm

搭載車種

R型エンジンは多くのホンダ車に搭載されており、シビック、ストリーム、アコード、CR-Vなど、多様な車両に幅広く使用されています。これにより、ホンダの主要モデルの性能を支えてきました。

まとめ

ホンダ・R型エンジンは、最新技術を駆使し、効率的で高性能なエンジンを提供するものであり、その多様なラインアップは、ホンダ車の特性をより引き立てています。エンジン技術の進化は、今後のホンダ車にも大きな影響を与えることでしょう。

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