ホンダ・ZC型エンジン

ZC型エンジン

ZC型エンジンは、本田技研工業が開発した1.6Lの直列4気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、特にモータースポーツでの性能が評価され、数多くのホンダ車に搭載されました。ZC型エンジンは、1984年に初めてシビックSiとバラードスポーツ CR-X Siに搭載され、以来、多様なバリエーションが登場しています。

機構の概要

ZC型エンジンは、DOHCとSOHCの二つのバージョンが存在し、それぞれ異なる特性を持っています。DOHC機種は、ホンダ・S800の生産終了から14年ぶりに復活したエンジンで、動弁系以外はEV型およびEW型の基本構造を継承しています。

DOHCエンジン

DOHCエンジンは、ボアストローク比が特異なロングストローク型で、特に中速・低速域のトルクを重視しています。吸気と排気バルブはそれぞれ2個ずつ設置されており、カムシャフトはタイミングベルトで駆動されています。また、点火プラグは燃焼室の中心に配置され、燃焼効率の向上を図っています。

基本モデルはPGM-FIに基づく仕様で、これは各気筒のポートにインジェクターが取り付けられたマルチポイント燃料噴射方式です。可変吸気装置も装備されることで、さらなる性能向上が見込まれます。

一部のモデルにはシングルキャブレター仕様も存在し、こちらは排気2次エア供給システムが搭載されています。三元触媒も採用され、環境性能にも配慮されています。

SOHCエンジン

SOHCバージョンは、D16A型に似た構造を持ちます。こちらも吸気と排気それぞれ2個のバルブを持ち、アルミ製ロッカーアームで開閉されます。点火プラグはカムシャフトを避けるため、吸気バルブ側に傾けて設置されています。PGM-FIまたはデュアルキャブ仕様が用意され、デュアルキャブの際は2次エアによる空燃比の精密制御が行われています。

SOHC VTEC

SOHC VTECバージョンも存在し、可変バルブタイミングとリフト機構を搭載。これにより、高出力と日常使用時の利便性を両立しています。特定の条件下で吸気バルブの開閉タイミングとリフト量を変更することで、性能を最適化します。

歴史とバリエーション

ZC型エンジンは、1984年にシビックSiに搭載されて以来、さまざまなホンダ車に採用されてきました。その後、シングルキャブレットやSOHC、SOHC VTECモデルなど、多様なバリエーションが展開されました。1987年には4代目シビックにSOHC仕様が登場し、1992年にはSOHC VTEC仕様がドマーニに採用されました。

最終的には2001年に4代目インテグラのモデルチェンジに伴い、ZC型エンジンは生産を終了しましたが、その間に数々のホンダ車に搭載され、今日でも高い評価を得ています。

主な搭載車種

• - DOHC PGM-FI仕様: シビック、シビックセダン、CR-X、クイントインテグラなど
• - SOHC PGM-FI仕様: シビックフェリオ、インテグラ、ドマーニなど
• - SOHC VTEC: ドマーニ、シビックフェリオ、いすゞ・ジェミニなど

まとめ

ZC型エンジンは、その優れた性能と多様なバリエーションにより、ホンダの代表的なエンジンとして多くの車両に搭載されてきました。特にその可変バルブ機構によって、高出力と実用性が求められるシーンにおいても、しっかりと応え続けています。

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