ホース・ガーズ

ホース・ガーズは、ロンドン中心部のホワイトホールとホース・ガーズ・パレードの間に位置する、威風堂々としたパラディオ様式の建物です。17世紀末に起きた火災で焼失したホワイトホール宮殿の跡地に、18世紀半ばに建設されました。設計はウィリアム・ケントによるもので、彼の死後、ジョン・ヴァーディによって1750年から1753年にかけて完成しました。

元々は、ホワイトホール宮殿に付属する馬上槍試合場の衛兵詰所として使用されていましたが、その後、イギリス陸軍の参謀本部、そして陸軍最高司令官の司令部として重要な役割を果たしました。1872年までは参謀本部、1904年までは陸軍最高司令官の司令部として機能していた歴史を持ちます。現在では、イギリス軍のロンドン管区および王室騎兵隊の司令官が本部として使用しています。

セント・ジェームズ宮殿と繋がる重要な建物でもあり、セント・ジェームズ・パークを経由して宮殿と外部を結ぶ入り口となっています。ただし、中央門はイギリス王室の構成員のみが使用を許されています。一般の人々は、他の入り口から出入することになります。

この建物は常に、王室騎兵乗馬連隊または王立騎馬砲兵・国王中隊によって厳重に警備されています。特に、ホワイトホール宮殿のバンケティング・ハウスに面した建物入り口では、午前10時から午後4時まで、乗馬した騎兵による衛兵交代式が1時間ごとに執り行われます。この衛兵交代式は、きらびやかな制服を身にまとった騎兵隊員による壮観な儀式で、多くの観光客を集めるロンドンの名所となっています。

ホース・ガーズの建築様式はパラディオ様式で、その威容はロンドンの街並みに独特の存在感を放ちます。歴史的な重みと、現在も現役で使用されているという事実が、この建物を一層魅力的なものとしています。かつての軍事的役割から、現代における王室と軍隊の重要な拠点としての役割へと、その機能は移り変わってきましたが、ロンドンを代表する観光スポットとしての地位は不動のものとなっています。衛兵交代式を見学する際には、その歴史と背景を理解することで、より一層深い感動を得ることができるでしょう。また、建物の周囲には、美しい庭園や歴史的な建造物が点在しているため、合わせて観光するのも良いでしょう。

もう一度検索