ホールデン・アポロ

ホールデン アポロ：トヨタ・カムリをベースとしたオーストラリアのセダン

ホールデン・アポロは、1989年から1997年までオーストラリアで販売されていたセダンおよびワゴンです。トヨタ・カムリをベースとしたバッジエンジニアリング車であり、オーストラリアの自動車メーカー、ホールデンによって製造されました。アポロの誕生は、オーストラリア自動車産業の合理化を目的としたバトンプランという政策と深く関わっています。この政策は、製造コストの削減と効率性の向上を目指したものでした。

初代アポロ（JK、1989年-1993年）

初代アポロは、1989年8月に発売されました。ベースとなったのはトヨタ・カムリのV20型です。ホールデンは、カムリをベースにしながらも、フロントグリルやテールライトなど、独自のスタイリングを施し、オーストラリア市場に合わせたデザインに仕上げています。

パワートレインは、トヨタ製の2.0L直列4気筒3S-FE型エンジンを搭載しました。このエンジンは、16バルブDOHCで、スムーズな走りを実現していました。トランスミッションは、4速オートマチックと5速マニュアルの2種類が用意されました。

2代目アポロ（JM、1993年-1997年）

1993年3月、アポロはモデルチェンジを行い、2代目へと進化しました。この2代目は、トヨタ・カムリのV30型（日本名：セプター）をベースとしています。型式もJK型からJM型に変更されました。

エンジンは、2.2L直列4気筒5S-FE型と3.0L V型6気筒3VZ-FE型の2種類が用意されました。排気量アップにより、よりパワフルな走りを実現し、ユーザーの選択肢を広げました。5S-FE型は燃費性能の向上にも貢献しました。

1997年、アポロは生産を終了しました。後継車種には、オペル・ベクトラBをベースとしたホールデン・ベクトラが選ばれました。アポロは、バッジエンジニアリング車の成功例として、オーストラリアの自動車史に名を刻みました。

まとめ

ホールデン・アポロは、トヨタ・カムリをベースにしながらも、オーストラリア市場に合わせた独自のスタイリングと、信頼性の高いトヨタ製のエンジンを搭載した、オーストラリアを代表するセダンの一つでした。バトンプランという政策の中で生まれたアポロは、合理化と市場ニーズの両立を図る、重要な役割を果たしたといえます。その人気と成功は、バッジエンジニアリング戦略の有効性を示す良い例と言えるでしょう。アポロは、多くのオーストラリアの人々に愛され、長きに渡り親しまれてきました。その存在は、オーストラリアの自動車文化を語る上で欠かせない存在となっています。日本車の技術とオーストラリアのデザインセンスが融合したアポロは、多くのオーストラリア人に快適な移動を提供し続けました。そして、その歴史は、現代の自動車産業にも貴重な教訓を与え続けています。

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