ホーロー看板

ホーロー看板についての詳細

ホーロー看板、あるいは琺瑯看板は、主に屋外用の表示として使用される金属製の看板の一種です。この看板は、光沢のある塗装や印刷が施されており、その起源は1888年から1889年頃にさかのぼります。日本では、明治時代から昭和中期にかけて、広告宣伝の主流手法として広く普及し、特に1950年代から1970年代にかけて屋外広告の重要なメディアの一つとなりました。

特徴と歴史

ホーローという言葉は、もともとガラス質の釉を金属に焼き付けて仕上げたものを指しますが、後に光沢のある塗料仕上げも含むようになりました。この看板は金属板に塗料を組み合わせたもので、耐久性が高いため、ブリキ製の看板に比べて美しい外観を保っているものも少なくありません。

当時の日本では、マスメディアによる広告手段があまり普及していなかったため、広告代理店を介さずに製品のセールスマンと看板の製造業者が直接製作、設置を行っていました。看板にかかる広告料は現金ではなく、現物支給が一般的でした。看板は単なる広告としての役割を果たすだけでなく、農業資材や新聞、学生服、布団などの取り扱い銘柄を告知するためにも用いられていました。

時代の変遷

しかし、1975年頃から始まった商品サイクルの加速や住宅事情、また新聞やテレビ等のメディアの進化により、ホーロー看板の姿は徐々に減少していきました。現在ではプラスチック製の看板がその役割を担うようになり、ホーロー看板はレトロな雰囲気が好まれるようになります。多くの人々がコレクション対象とし、その歴史的価値や希少性から高値で取引されることも少なくありません。

代表的な広告例

ホーロー看板には数多くの有名な広告が存在します。一例としては、日本専売公社の塩やたばこ、また日本電信[[電話公社]]のでんわやでんぽうの看板があり、これらは宣伝目的というよりは、認可販売店の証明や扱い店の告知としての役割を果たしていました。さらに大塚製薬のオロナミンCやオロナイン軟膏、そして大日本除虫菊の金鳥やキンチョールなどもあげられます。

また、ライオンケミカルのライオン蚊取り線香、ボンカレーの看板、そして国際秘宝館に関する看板など、様々な商品やサービスの広告がホーロー看板によって人々の目に触れてきました。

現在の状況

今やホーロー看板は、単なる広告媒体としては姿を消しつつありますが、逆にその独特のデザインや歴史的背景から、収集家たちによってその価値が見直されています。特に鉄道においても、種別や行先を示すサインとして利用されていた時期があり、今もその名残を見ることができます。ホーロー看板は、時代を超えた美しいアートとして、人々の心を惹きつけ続けているのです。

もう一度検索