ボコスカウォーズ

『ボコスカウォーズ』は、1984年にアスキーから発売されたX1用戦略シミュレーションゲームです。開発はラショウこと住井浩司氏が担当しました。発売当時はロールプレイングゲームとされていましたが、戦略性とパズル性の高さから、現代ではシミュレーションゲーム、あるいはシミュレーションRPGの先駆けとして評価されています。

ゲーム内容

プレイヤーはスレン王国の国王を操作し、隣国バサム帝国にあるアドロス城を目指します。最終目標は、そこにいる暴君オゴレスを倒すことです。

横スクロールのフィールドを進軍しながら、牢屋に囚われている仲間を救出し、敵兵を倒していきます。マップの終端にいるボスを倒すとステージクリアとなり、全5ステージのクリアを目指します。

移動は、ユニットを「全員」「スレン王のみ」「騎士・重騎士全員」「兵卒・重兵卒全員」の4つのグループに切り替えながら行います。選択したユニットは同時に移動するため、意図しないキャラクターが障害物に引っかかることもあります。また、敵と味方の兵士が接触すると戦闘になりますが、ステータスは王様のパワー（HP）しか表示されず、内部的な数値とランダム要素によって勝敗が決まります。そのため、たとえ強力なユニットでも、ザコ敵に負けてしまう可能性もあります。

特徴的なシステム

独特の移動システム: ユニットを個別に操作できないため、集団行動の難しさが再現されています。
運要素の強い戦闘: ステータスがほとんど表示されず、ランダム要素によって勝敗が決まるため、戦略だけでなく運も重要になります。
相性: キャラクター同士には相性が設定されており、有利な組み合わせ、不利な組み合わせが存在します。また、敵の背後から攻撃すると有利に戦えます。
印象的な音楽: プログラマー自身による歌詞「すすめボコスカ」が付けられた独特のゲーム音楽も魅力の一つです。

登場キャラクター

味方

スレン王: 主人公。倒されるとゲームオーバーです。大木や領地の境界線を消去する能力を持ちます。
兵卒: 最弱の兵士ですが、数が多く、地形から救出して補充できます。「呪いの落とし穴」を消去する能力を持ちます。
重兵卒: 兵卒がパワーアップした姿です。親衛隊に強いです。
騎士: 兵卒よりも高い戦闘力を持ちます。牢屋の鉄格子を消去する能力を持ちます。
重騎士: 騎士がパワーアップした姿です。魔導師に強いです。

敵

オゴレス王: 最終ボス。非常に強力で、スレン王でなければ倒すのは困難です。
兵卒: 最も弱い敵ですが、まれに強力な個体も存在します。
騎士: 序盤の強敵ですが、重騎士や重兵卒にはかないません。
獄吏: 牢屋付近に出現し、味方の兵卒を捕らえます。俊敏で、兵卒では苦戦必至です。
魔導師: 王様の背後に幻戦士を発生させる能力を持ちます。重騎士に弱いです。
幻戦士: 魔導師が生み出す幻影ですが、非常に強力で、何度でも復活します。魔導師を倒すと消滅します。
重騎士: 王様を集中して攻撃します。動きは鈍いですが、パワーは強力です。
* 親衛隊: オゴレス王の周囲にいる最強の敵。兵卒に弱く、重兵卒には致命的に弱いです。

移植版

ファミリーコンピュータ版では、初期ユニットがスレン王1人であり、魔法で姿を変えられた仲間を救出していくという展開に変更されています。また、BGMの楽譜と歌詞が取扱説明書に掲載されていました。

評価

『ボコスカウォーズ』は、独特のゲームシステムと世界観が評価され、多くのファンを獲得しました。一方で、運要素が強い戦闘や操作性の悪さなど、改善点も指摘されています。しかし、その斬新なゲーム性は、後のシミュレーションRPGに大きな影響を与えたと言えるでしょう。

ニュー・ボコスカウォーズ

続編として『ニュー・ボコスカウォーズ』も発表されました。敵キャラクターやアイテム、トラップが一新され、難易度が向上しています。

ボコスカウォーズII

2016年には、33年ぶりの続編となる『ボコスカウォーズII』が配信されました。従来の作品を移植した「クラシックスタイル」と新要素が追加された「オリジナルスタイル」を選択できます。

ボコスカチェス

2023年には、アプリも併用するボードゲーム『ボコスカチェス』が出展されました。ボコスカの運要素をチェスに活かした作品となっています。

もう一度検索