ボストン (重巡洋艦)

USS Boston (CA-69/CAG-1)



USS Bostonは、アメリカ海軍の重巡洋艦であり、ボルチモア級重巡洋艦の2番艦にあたります。この艦の名前はマサチューセッツ州ボストンに由来しており、同名称の船としては6隻目の存在となります。

艦歴


ボストンは1942年8月26日にマサチューセッツ州クインシーで建造が始まりました。1943年6月30日、艦長J・H・カーソンのもとで正式に就役しました。

第二次世界大戦


ボストンは1943年12月に太平洋艦隊に配属され、真珠湾に到着。同月から翌年にかけて、第58任務部隊の一員としてマーシャル諸島の攻略に貢献し、クェゼリン、マジュロ、エニウェトクの上陸支援を担当しました。その後、パラオ諸島、西部ニューギニア、トラック諸島、硫黄島などでの攻撃にも参加しました。特に、マリアナ沖海戦やグアム島の上陸が重要な活動とされます。

1944年10月、ボストンは第38任務部隊に参加し、沖縄やルソン島を含む多くの空襲支援を行いました。さらに、戦局が進む中、日本本土の攻撃に加わり、釜石に対しても砲撃を実施しました。戦争が終結した後は、日本の占領任務に従事し、1946年までその任務を続けました。1946年に予備役に入りました。

再就役


ボストンは1952年に艦種をCAG-1（ミサイル巡洋艦）へと変更し、改装後に再度就役しました。この改装では、後部の8インチ砲塔が取り外され、対空ミサイルランチャーが追加され、装備が近代化されています。1955年にはボストン級ミサイル巡洋艦の最初の艦として活躍しました。

ボストンは1956年から1957年にかけて地中海での演習や南アメリカへの巡航など多くの任務を遂行し、その後も8年間にわたり地中海で活動し続けました。

ベトナム戦争


1967年、ボストンは再び太平洋に出撃し、新たに第7艦隊として戦闘任務に従事しました。この任務では南ベトナムの敵拠点に対して数千発の砲弾を撃ち込みました。しかし、1968年には友軍の誤射による「ボストン・ホーバート事件」が発生し、両艦が敵と誤認された状況での攻撃を受けました。事件後、艦種は再び重巡洋艦に変更され、CA-69として運用されました。

ボストンは1970年に退役し、1973年に除籍、1975年にはルイジアナ州でスクラップとして処分されました。

戦争の中で、ボストンは第二次世界大戦中に10個の従軍星章を受章し、ベトナム戦争では海軍殊勲部隊章を受章するなど、その功績は高く評価されています。

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