ボブという名の猫 幸せのハイタッチ

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』は、2016年に公開されたイギリスの伝記映画です。監督はロジャー・スポティスウッドが務め、ルーク・トレッダウェイとルタ・ゲドミンタスが出演しています。この映画は、ミュージシャンを夢見ながらも薬物依存に苦しむ青年ジェームズが、一匹の野良猫ボブとの出会いをきっかけに、人生を再出発していく物語です。

原作は、イギリスで1000万部を超える大ヒットを記録したノンフィクション『ボブという名のストリート・キャット』です。映画では、実在の猫ボブがほぼ全ての出演シーンを演じ、ジェームズ本人もカメオ出演しています。2017年には英国ナショナルフィルムアワードで最優秀英国映画賞を受賞し、2020年には続編『ボブという名の猫2 幸せのギフト』が制作されました。

ストーリー

ロンドンの路上で弾き語りをしながら小銭を稼ぐジェームズは、元ホームレスの薬物依存者でした。更生プログラムに参加するものの、なかなか薬物の誘惑を断ち切ることができません。ソーシャルワーカーのヴァルは、ジェームズに最後のチャンスとして無償の住居を提供します。そんなある日、ジェームズの部屋に一匹の茶トラの野良猫が迷い込んできます。隣人のベティが「ボブ」と名付けたその猫は、ジェームズに懐き、彼は世話をすることになります。ボブはジェームズの路上ライブにもついてくるようになり、その愛らしい姿は周囲の人の目を引き、ライブは大成功を収めます。ジェームズはボブと共に路上ライブを続け、順調に収入を得るようになります。しかし、ホームレス仲間から金をせびられたり、ベティとの関係が疎遠になったりするなど、様々な困難に直面します。

ジェームズの薬物依存は、両親の離婚が原因でした。再婚した父親の家族からは蔑まれ、彼は孤独を感じていました。路上ライブが禁止され収入を断たれたジェームズは、ビッグイシューの販売員となります。ボブの力を借りて人気販売員となりますが、同僚とのトラブルで販売を禁止されてしまいます。さらに、ボブが逃げ出してしまい精神的に追い詰められたジェームズは、薬物に手を出しそうになりますが、ボブが戻ってきたことで断薬を決意します。禁断症状に苦しみながらも、ボブと共に薬物を断ち切ったジェームズは、人生をやり直す決意をします。その後、ジェームズとボブの物語が出版され、大ヒットを記録します。出版記念のサイン会にはベティも現れ、兄の死から立ち直り前向きに歩み出します。ジェームズの父親とその再婚相手も笑顔で参加し、ジェームズの孤独な路上生活は終わりを告げます。

キャスト

ジェームズ・ボーエン：ルーク・トレッダウェイが演じました。日本語吹替は遠藤大智が担当しました。薬物依存に苦しみますが、ボブとの出会いをきっかけに人生をやり直していきます。
ベティ：ルタ・ゲドミンタスが演じました。日本語吹替は竹内恵美子が担当しました。ジェームズの隣人で、ボブに名前をつけます。
ヴァル：ジョアンヌ・フロガットが演じました。日本語吹替はちふゆが担当しました。ジェームズのソーシャルワーカーです。
ジャック・ボーエン：アンソニー・ヘッドが演じました。日本語吹替は島田岳洋が担当しました。ジェームズの父親です。
メアリー：キャロライン・グッドールが演じました。日本語吹替は髙梨愛が担当しました。ジェームズとボブの物語を出版します。
ヒラリー：ベス・ゴダードが演じました。ジャックの再婚相手です。
バズ：ダレン・エヴァンスが演じました。日本語吹替は遠藤航が担当しました。ジェームズと同じ境遇の薬物中毒者です。
ボブ：ボブ自身が演じました。推定12歳で、ジェームズの肩がお気に入りの場所です。

作品の評価

映画の評価は概ね好評で、Rotten Tomatoesでは77%の高評価を得ています。批評家からは「心温まる物語で、多くの視聴者を感動させるだろう」と評されています。Metacriticでは、平均点が100点満点中54点となっています。

備考

映画に出演した猫のボブは、2020年6月15日に亡くなりました。少なくとも14歳だったとされています。

出典

公式ウェブサイト（日本語）
続編公式ウェブサイト（日本語）
ボブという名の猫 幸せのハイタッチ - 映画.com
ボブという名の猫 幸せのハイタッチ - allcinema
ボブという名の猫　幸せのハイタッチ - KINENOTE
ボブという名の猫 幸せのハイタッチ - MOVIE WALKER PRESS
A Street Cat Named Bob - IMDb（英語）

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