ボブ・フィッシモンズ

ボブ・フィッシモンズの生涯と功績

ボブ・フィッシモンズ（本名：ロバート・ジェームス・フィッシモンズ）は1863年にイギリスのコーンウォール州で生まれました。彼は9歳の時にニュージーランドに移住し、母国を離れました。その後、ティマルで鍛冶職人として働く傍ら、ボクシングに目覚めることになります。1880年から1881年には、ジェム・メイストーナメントで優勝し、プロボクサーへの道を歩み始めました。

フィッシモンズのボクシングキャリアは1883年からオーストラリアで本格化しました。初戦はジム・クロウフォードとの対戦で、彼は快勝。オーストラリアで合計28試合を戦い、名だたるボクサーとの戦いでその実力を証明しました。1890年にはミドル級王座に挑戦し、以降の試合では古豪ジェム・メイスから学んだ技術と鍛冶職人として培ったパワーを駆使した革新的なスタイルを確立しました。

ミドル級王座獲得

1891年、フィッシモンズは念願の世界ミドル級王座に挑戦し、ジャック・デンプシーを相手に13回でTKO勝ちを収め、新王者となりました。この勝利は彼にとっての大きな節目であり、以降も多くの試合で名勝負を繰り広げました。特に、1893年のダン・クリードンとの試合では、初防衛を果たし、その名声は高まりました。

ヘビー級王座獲得

1896年には、ついにヘビー級王座にも挑戦し、ピーター・マッハーに対して快勝。続く1897年には、ジェームス・J・コーベットと15回戦の果敢な戦いを繰り広げ、再び王者の座を奪還しました。しかし、彼のキャリアは順風満帆ばかりではなく、その後11回戦でジェームス・J・ジェフリーズに敗れ、王座を失う悔しさを味わうこととなります。

ライトヘビー級王座獲得

フィッシモンズは、1903年に世界ライトヘビー級王座にも挑戦し、新たな歴史を刻みました。ジョージ・ガーディナーとの試合では、20ラウンドで激闘の末に勝利を収め、3階級制覇王者となりました。彼の持ち味は、近距離戦での精度の高いジャブと、強靭なパンチ力にありました。しかし、王座防衛戦では思わぬ結果に終わることも多く、その後も彼のボクシングスタイルは衰退することなく続けられました。

引退と晩年

フィッシモンズは1914年に一時的な復帰を果たしますが、その後は試合に出場することはありませんでした。1953年にアメリカで肺炎により亡くなるまで、彼の名前は多くのファンに記憶され続けます。フィッシモンズの業績は、106年間に渡って他のミドル級出身者によるヘビー級王座獲得を許さず、ロイ・ジョーンズ・ジュニアが現れるまでその記録は破られることはありませんでした。彼の足跡は、今なおボクシング界に大きな影響を与え続けています。

戦績

フィッシモンズのプロボクシング戦績は、82戦51勝（44KO）、8敗、5分、18無効試合です。彼は自身のキャリアの中で350試合以上を戦ったと主張するほど、その闘志は揺るぎないものでした。彼はボクシング史に名を刻む偉大な選手として、今でも多くのファンに愛され続けている存在です。

もう一度検索