ボブ・モールド

ボブ・モールド（Robert Arthur Mould, 1960年10月16日生まれ）は、アメリカ合衆国出身のミュージシャン、シンガーソングライターです。彼は、ハスカー・ドゥ（Hüsker Dü）やシュガー（Sugar）といったバンドのフロントマンとして知られ、現在はソロアーティスト、DJとして、また多岐にわたるコラボレーションを通じて活動しています。

ハスカー・ドゥ時代

1979年に結成されたハスカー・ドゥは、6枚のアルバムをリリースし、1988年に解散しました。商業的な成功は限定的でしたが、その音楽性はニルヴァーナ（Nirvana）やピクシーズ（Pixies）といった後続のバンドに大きな影響を与えたとされ、高く評価されています。

ソロ活動の開始

ハスカー・ドゥ解散後、モールドはミネソタ州の農場に引きこもり、薬物とアルコールを断ち、ソロアルバムの制作に専念しました。1989年4月には、ヴァージン・レコードからソロデビューアルバム『Workbook』をリリース。この作品では、ハスカー・ドゥ時代に特徴的だったギターノイズを抑え、新たな音楽性を打ち出しました。1990年5月には、『Black Sheets of Rain』をリリースし、よりヘヴィなサウンドを追求しました。

シュガー結成と成功

1992年、モールドは新バンド、シュガーを結成し、アルバム『Copper Blue』をリリース。このアルバムは批評家から高い評価を受け、NMEのベスト・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、大きな成功を収めました。シュガーは1994年にセカンドアルバムをリリースしましたが、1996年に解散しました。

ソロ活動の再開と多様な音楽性

シュガー解散後、モールドは再びソロ活動を再開し、1996年にセルフタイトルの3枚目のソロアルバム『Bob Mould』をリリース。このアルバムでは、モールド自身が全ての楽器を担当しました。1998年には4枚目のアルバム『The Last Dog and Pony Show』をリリース。2000年代に入ると、ダンスミュージックやエレクトロニカの影響を受けた『Modulate』をリリースしますが、以前ほどの支持は得られませんでした。その後も、『Body of Song』（2005年）、『District Line』（2008年）、『Life and Times』（2009年）といったアルバムを精力的にリリース。2010年には10枚目のアルバム『Silver Age』をリリースし、全米52位を記録。2014年には『Beauty & Ruin』をリリースし、全米38位を記録しました。

私生活

モールドは、1990年代初頭にスピン誌で自身がゲイであることをカミングアウトしました。2004年には、同性婚を支援するWEDRockという慈善コンサートの共同主催者となりました。

主要作品

ソロアルバム
Workbook （1989年）
Black Sheets of Rain （1990年）
Bob Mould（1996年）
The Last Dog and Pony Show （1998年）
Modulate （2002年）
Body of Song （2005年）
District Line （2008年）
Life and Times （2009年）
Silver Age （2012年）
Beauty & Ruin （2014年）
* Sunshine Rock （2019年）

もう一度検索