ボラ・ティヌブ

ボラ・アハメド・アデクンレ・ティヌブ：ナイジェリア大統領の経歴と政治

ボラ・アハメド・アデクンレ・ティヌブ（Bola Ahmed Adekunle Tinubu、1952年3月29日 - ）は、ナイジェリアの会計士、そして政治家です。現在、ナイジェリア連邦共和国の第16代大統領を務めています。

生い立ちと学歴

ティヌブは1952年3月29日に、当時イギリスの保護領であったナイジェリアの南西部で生まれました。幼少期はラゴスのセント・ジョンズ小学校やイバダンの児童養護施設の学校に通い、その後1970年代にアメリカ合衆国へ渡りました。シカゴのサウスウエスト・カレッジ（現リチャード・J・デイリー・カレッジ）を経てシカゴ州立大学に進学し、経営学の学士号を取得しました。

卒業後は、アーサー・アンダーセンやデロイトといった大手会計事務所でキャリアを積みました。1983年にナイジェリアに帰国後は、モービル社（Mobil Oil Nigeria）に監査役として入社し、重役まで昇進しています。

政治家としてのキャリア

1992年に政界入りし、社会民主党からラゴス西区の元老院議員に選出されました。1993年の大統領選挙が無効化され、サニ・アバチャ将軍が実権を掌握すると、民主派の全国民主化連合で積極的に活動しました。民主化運動の結果投獄されますが、1994年に亡命しています。

アバチャの死後、1998年にナイジェリアへ帰国。1999年1月には民主主義同盟からラゴス州知事に立候補し、当選。2003年には再選され、2007年までその職を務めました。

州知事時代には、税務執行の厳格化によって州の歳入を大幅に向上させたほか、ラゴスの交通渋滞を緩和するための公共交通機関事業計画を策定するなどの功績を挙げました。しかしその一方で、資金洗浄や票の買収に関与した疑いが指摘されることもありました。

2013年には、主要3政党を中心とする野党が与党に対抗するために結集した全進歩会議の立ち上げに関わり、2015年の大統領選挙ではムハンマド・ブハリを支持。ブハリは選挙で勝利し、ナイジェリアで初めての政権交代が実現しました。

2023年大統領選挙

2023年2月25日に行われた大統領選挙に出馬しました。全進歩会議の党内予備選挙では、ロティミ・アマエチ元交通相やイェミ・オシンバジョ副大統領らを破り、大統領候補に選出されました。

選挙戦では、燃料補助金の廃止、インフラ整備・社会福祉への投資、石油下流部門の規制緩和、治安維持対策などを公約に掲げました。また、法人税の徴税方式見直しや奢侈税・輸入関税の増税、石油の盗掘対策や油田開発による生産量増などを訴えました。

選挙の結果、ティヌブは879万4726票を獲得し、当選を果たしました。しかし、選挙結果をめぐっては不正を主張する声が相次ぎ、法的措置も取られました。同年5月29日、大統領に就任しています。

私生活と栄誉

1987年にオルレミ・ティヌブと結婚し、4人または6人の子供がいます。オルレミ夫人はラゴス中区選出の元老院議員を務めています。

ティヌブは、シエラレオネのンジャラ大学、ナイジェリアのカノ州科学技術大学など、複数の大学から名誉学位を授与されています。

著作

Financialism: Water From an Empty Well (2012年、ブライアン・ブラウンとの共著)
Common Sense Revolution

ティヌブは、ナイジェリアの政治経済に大きな影響を与えてきた人物であり、その政策やリーダーシップは今後も注目されていくでしょう。

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