ボラー連邦の戦闘艦

ボラー連邦の戦闘艦：多様なデザインと特徴

アニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』と『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』に登場するボラー連邦の宇宙戦闘艦は、その独特のデザインと特徴で知られています。青紫色を基調とした艦体色と、格納式の武装が共通の特徴ですが、艦艇の種類やデザイン担当者によって、その形状や武装、大きさなどに大きなバリエーションが見られます。

デザインの変遷と担当者

初期のデザインは商品企画会社のサブマリンが担当し、曲線美を強調した艦艇が特徴的でした。一方、シリーズ後半や『宇宙戦艦ヤマト2205』では板橋克己氏や明貴美加氏がデザインを担当し、直線的なデザインやリデザインされた艦艇が登場しています。松本零士氏や出渕裕氏によるデザイン案も存在しましたが、採用には至らなかったようです。特に『2205』では、明貴美加氏によるリデザインが特徴的で、オリジナルデザインの特徴を継承しつつ、統一感を持たせたデザインとなっています。

代表的な艦艇

ボラー連邦の戦闘艦には様々な艦級が存在し、それぞれ独自の武装や役割を持っています。

1. 戦艦（Aタイプ、Bタイプ）：
サブマリンデザインによる主力戦艦。Aタイプは尖った艦首部に大型主砲を備え、Bタイプは平らな艦首部と大型ミサイルを特徴とします。Aタイプは中型、Bタイプは大型で、艦級名ではなく「Aタイプ」「Bタイプ」と呼称されています。

2. ラジェンドラ号：
バジウド星系のバース星を母港とする属国艦隊の旗艦。滑らかな曲線と小型の艦橋が特徴です。『宇宙戦艦ヤマト』の企画書段階での侵略者ラジェンドラ星人から艦名が流用されています。ヤマトと共同でガルマン・ガミラス帝国と交戦し、地球連邦領域内で修理を受けるという異例の経緯を持ちます。

3. ハーキンス艦：
板橋克己氏デザイン。第8親衛打撃艦隊司令ハーキンスの座乗艦。直方体に近い主艦体と円盤型の艦体が特徴です。強力な武装を備え、前線で活躍しますが、ガルマン・ガミラス帝国艦隊との交戦で撃沈されます。資料によっては「バイオン号」と表記されることもあります。

4. バルコム艦：
サブマリンデザイン。ボラー連邦第1主力艦隊司令バルコムの座乗艦。艦載機発進口を備え、空母としての運用も可能な艦艇です。独特の平べったい艦体が特徴です。

5. ゴルサコフ艦：
板橋克己氏デザイン。ボラー連邦総参謀長ゴルサコフの座乗艦。横に広がった艦橋構造物が特徴です。劇中での出番は少ないものの、異次元空間での戦闘に参加しています。

6. ベムラーゼ艦：
板橋克己氏デザイン。首相ベムラーゼの座乗艦。防御力重視のデザインで、武装は少ないものの、大型の連絡艇を搭載しています。

7. デストロイヤー艦：
板橋克己氏デザイン。細長く鋭角的な艦体と高い装甲が特徴です。スペースロックVLSという大型自己誘導魚雷を装備しています。

8. 大型空母：
サブマリンデザイン。ヒレを広げたような艦容と、艦尾に位置する艦橋が特徴です。

9. 戦闘空母：
サブマリンデザイン。詳細不明。

10. ガノンダ型航宙母艦、クロトガ型標準戦艦、アマンガ型ミサイル戦艦：
明貴美加氏デザイン。『宇宙戦艦ヤマト2205』に登場する艦艇。それぞれ「愛国心」、「英雄的な行動」、「大破壊」を意味するボラー語が艦名となっています。オリジナルのデザイン要素を取り入れつつ、統一感のあるデザインとなっています。

まとめ

ボラー連邦の戦闘艦は、そのデザインや武装、役割が艦艇によって多様性に富んでいます。複数のデザイナーが担当したため、デザインの統一性には欠けますが、各艦艇の個性は際立っており、アニメ作品において重要な役割を担っています。それぞれの艦艇の背景や詳細な設定を知ることで、作品への理解がより深まるでしょう。

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