ボリス・シャポシニコフ

ボリス・ミハイロヴィチ・シャポシニコフの生涯と業績

ボリス・ミハイロヴィチ・シャポシニコフ（1882年 - 1945年）は、ソビエト連邦の著名な軍人であり、軍事思想家としても知られています。彼は、ソ連の元帥として重要な役割を果たし、その経歴は多岐にわたります。幼少期はウラル山脈の近くのズラトウーストで育ち、父はオレンブルク・コサック軍に所属していたことから、彼も早くから軍人になることを志しました。

軍歴の始まり

シャポシニコフは1901年にロシア帝国軍に入隊し、1910年には参謀本部軍事アカデミーを卒業しました。第一次世界大戦においてはカフカス擲弾兵師団長として大佐に昇進しましたが、1917年のロシア革命の影響を受け、彼は革命を支持する立場を取りました。革命後、1918年5月には赤軍に参加し、重要な参謀職を歴任しました。

参謀総長への道

内戦後、彼は労農赤軍参謀部に入り、1925年から1928年まではレニングラード軍管区とモスクワ軍管区の司令官を務めました。1928年から1931年には労農赤軍の参謀長に抜擢され、1932年にはM.V.フルンゼ名称軍事アカデミーの校長に就任しました。シャポシニコフの名声は、彼が1937年にスターリンの赤軍大粛清におけるミハイル・トゥハチェフスキーの後任として参謀総長に任命されたことによっても高まりました。

スターリンの信任

シャポシニコフは、帝国軍の将校出身であったにもかかわらず、スターリンからの信任を得ることに成功しました。彼の軍人としての姿勢や能力は、スターリンによる疑念を回避するのに役立ち、1930年までソ連共産党には入党しなかったにもかかわらず、その地位を確立しました。ただ、彼が存命の中でトゥハチェフスキーや他の同僚を排除することへの協力を強いられたことは、心に傷を残すものであったでしょう。

軍事思想と著作

シャポシニコフは、ソビエト軍における重要な軍事思想を形成しました。彼の著書『Мозг армии（軍の頭脳）』は、1929年からの作品で、以後何十年もの間、全ソ連軍将校にとって必読の書とされました。この著作は、彼の卓越した軍事理論とその実践的な適用について述べています。スターリンもこの書を常に身近に持っていたことが、シャポシニコフへの信任を示しています。

後のキャリアと退任

1940年8月、シャポシニコフは公式には病気を理由に参謀総長を辞職しましたが、これは冬戦争の際の損失の責任を問われたことが背景にあったとされています。辞職後は副国防人民委員となり、ドイツ軍の侵攻に際して再び参謀総長に任命されましたが、1942年5月には病気で辞任しました。その後は高等軍事アカデミーの校長を務め、1945年に亡くなるまで教育活動に専念しました。

顕彰と遺産

シャポシニコフの功績は、多くの勲章として顕彰されています。レーニン勲章や白旗勲章、一等スヴォーロフ勲章、赤星勲章など、数多くの名誉を受けています。また、彼の名を冠した高等狙撃戦術課程「ヴィストレル」が存在し、彼の影響を今も感じさせるものです。彼の軍事思想と教育における貢献は、今後も多くの人々に評価され続けることでしょう。

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