ボリス3世 (ブルガリア王)

ボリス3世：激動の時代を生きたブルガリア国王

ボリス3世（1894年1月30日 - 1943年8月28日）は、ブルガリアの国王（ツァール）として、1918年から1943年まで在位しました。父はフェルディナント、母はパルマ公ロベルト1世の娘マリア・ルイーザです。

生涯

ソフィアで生まれたボリス3世は、陸軍学校で教育を受け、第一次世界大戦に従軍。しかし、ブルガリアが敗戦し、父フェルディナントが退位したため、1918年に24歳で王位を継承しました。

国内政治

即位後、ボリス3世は国内の政治的混乱に直面します。アレクサンダル・スタンボリイスキ率いる農民人民同盟や共産党勢力が台頭し、ボリス3世はこれに対抗するため、1923年にクーデターを決行。さらに1934年にもクーデターを起こし、議会や全政党を解散させ、親ドイツ派軍人の支持を得て、国王を頂点とする親政を確立しました。

第二次世界大戦

第二次世界大戦が勃発すると、ボリス3世は中立を模索しましたが、最終的には枢軸国側で参戦。1943年、アドルフ・ヒトラーとの会談後、急死しました。死因は心臓発作とされていますが、暗殺説も根強く残っています。

崩御後

ボリス3世の死後、幼少のシメオン2世が王位を継承し、弟のキリルらが摂政となりました。

ボリス3世の遺体は当初、リラ修道院に埋葬されましたが、王政廃止後の社会主義政権によってヴラナ宮殿の中庭に改葬されました。さらに1954年、社会主義政権によって再び改葬されて以来、遺体は行方不明となっています。1989年の社会主義政権崩壊後に行われた調査では、心臓を収めた容器のみが発見され、1994年にリラ修道院に戻されました。

家族

1930年、イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世の娘ジョヴァンナ（イオアンナ）と結婚し、1男1女をもうけました。

マリヤ・ルイザ（1933年 - ）
シメオン2世（1937年 - ）：ブルガリア国王（1943年 - 1946年）、ブルガリア共和国首相（2001年 - 2005年）

ボリス3世は、激動の時代を生き、ブルガリアの政治に大きな影響を与えた人物でした。

関連項目

ヌイイ条約
ドブロジャ
イヴァン・バグリャノフ
フリスト・ルコフ

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