ボリソフ

ボリソフ：ベラルーシの歴史と産業が交錯する都市

ボリソフ（ベラルーシ語: Бары́саў）は、ベラルーシのミンスク州に位置する都市で、その歴史は1102年にまで遡ります。ベレジナ川とサハ川が合流する地点に広がり、古くから交通の要衝として栄えてきました。人口は約14万5千人（2015年）であり、ミンスク州内でも有数の規模を誇ります。

地理

ボリソフはベレジナ川によって旧市街と新市街に分かれています。これらの地域は橋で結ばれており、新市街には鉄道駅、国際道路、軍の司令部、中央広場などが集中しています。ベレジナ川は街の景観を特徴づけるとともに、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。

歴史

中世・近世

ボリソフの起源は1102年、ポロツク公国の王子ログヴォロド・フセスラヴィチによって建設されたことに遡ります。都市の名前は、彼の洗礼名であるボリスに由来します。13世紀から14世紀にかけて城が築かれ、バルト海と黒海を結ぶ河川交通の要所となりました。13世紀末にはリトアニア大公国に編入され、1563年にはマクデブルク都市法を授与されました。1793年の第二次ポーランド分割によってロシア帝国に編入されるまで、ポーランド・リトアニア共和国の一部でした。

19世紀

1812年のナポレオンのロシア遠征では、ボリソフは重要な戦場となりました。ベレジナ川の戦いでは、敗走するナポレオン軍が川を渡ろうとし、激戦が繰り広げられました。この戦いで使用された大砲は、現在では町の博物館に保管されています。1871年にはモスクワとブレストを結ぶ鉄道が開通し、ボリソフ近郊に駅が建設されました。駅周辺にはノヴォボリソフという新しい集落が形成され、後にボリソフに合併されました。

20世紀

第一次世界大戦後のロシア革命期には、ボリソフの支配権を巡る争いが激化し、何度も占領者が変わりました。1921年のリガ平和条約によって、白ロシア・ソビエト社会主義共和国に編入されました。第二次世界大戦中にはナチス・ドイツに占領され、多くの破壊を受けました。しかし、住民による抵抗運動も活発であり、ドイツ軍の撤退に貢献しました。戦後、ボリソフは復興を遂げ、産業の中心地として発展しました。

産業

第二次世界大戦後、ボリソフはベラルーシにおける重要な産業の中心地となりました。機械、食品加工、木材加工、医薬品製造などが盛んであり、製品はロシアやCIS諸国、国外にも輸出されています。特にボリソフ自動車トラクター電装品工場（BETA）は、地域の経済を支える重要な企業です。同社は、サッカークラブのFC BATEボリソフのスポンサーとしても知られています。

建築物

ボリソフには、ヴォスクレセンスキー大聖堂やローマ・カトリック教会などの重要な建築物があります。ヴォスクレセンスキー大聖堂は、19世紀後半に再建されたロシア正教会の聖堂で、ロシアの伝統的な建築様式を模しています。

スポーツ

ボリソフは、サッカークラブ「FC BATEボリソフ」の本拠地としても知られています。FC BATEボリソフは、ベラルーシ国内で数々のタイトルを獲得しており、ヨーロッパの主要なサッカー大会にも出場しています。

姉妹都市

ボリソフは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

マロヤロスラヴェツ（ロシア）
ムィティシ（ロシア）
ポドリスク（ロシア）
ノギンスク（ロシア）
ガガーリン（ロシア）
ヴァルミエラ（ラトビア）
カパン（アルメニア）
ナルヴァ（エストニア）
パヴロヴォ（ロシア）
クレメンチューク（ウクライナ）
パザルジク（ブルガリア）
エイスク（ロシア）

出身者

ボリソフ出身の著名人としては、以下の人物が挙げられます。

アナトリー・チュバイス（政治家、新興財閥「統一エネルギーシステム（UES）」会長）
ジェーニャ・カタバ（プロモデル、パリコレクション等のフランスで活動するファッションモデル）

ボリソフは、その長い歴史の中で様々な文化の影響を受け、独自の発展を遂げてきました。現在では、産業都市として重要な役割を担うとともに、スポーツや文化の中心地としても注目されています。

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