ボルボ・C70

ボルボ C70：洗練されたデザインと安全性

ボルボC70は、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボ・カーズが製造・販売したクーペカブリオレタイプの乗用車です。その魅力的なデザインと高い安全性から、多くのファンを魅了しました。本稿では、2世代にわたるC70の歴史を詳細に解説します。

初代ボルボC70 (1997-2005年)

初代C70は、1996年のパリサロンで初公開され、翌1997年に発売されました。ベースとなった850とは一線を画す、流麗でスタイリッシュなボディラインが特徴です。このデザインは、後のV70など、多くのボルボ車にも影響を与えました。

駆動方式はFFで、当初は2.3リッター直列5気筒DOHCライトプレッシャーターボチャージドエンジンを搭載していました。1999年にはマイナーチェンジを行い、エンジン排気量を2.4リッターに拡大。2001年には、電動ソフトトップを備えたカブリオレモデルが追加されました。このカブリオレモデルは、側面衝突対応システムを改良した安全設計も導入されました。

2004年のマイナーチェンジでは、ターボチャージャーをハイプレッシャータイプに変更し（排気量は再び2.3リッターに）、エンジンの出力を大幅に向上させました。初代C70は、ボルボのデザインと技術革新を象徴するモデルとして、高い評価を得ました。

2代目ボルボC70 (2006-2013年)

2代目C70は、2005年のフランクフルトショーでデビューし、2006年から販売が開始されました。デザインは、のちにXC60も手がけたチーフデザイナー、フェディ・タルスマによるものです。クーペとカブリオレを統合した「コンバーチブル」のみがラインナップされ、初代のソフトトップから、スチール製の3分割開閉式電動ハードトップへと進化しました。

生産は、ボルボとピニンファリーナが共同出資した工場で行われました。車台はS40/V50と共通で、日本市場では2.4L直列5気筒ターボエンジンとNAエンジンの2タイプが用意されました。

安全面においては、カブリオレとしては世界初となる「ドア内蔵カーテンシールドエアバッグ」を採用。高い安全性を確保しました。2009年にはヨーロッパ仕様、翌2010年には日本仕様がマイナーチェンジを受け、エンジンはターボモデルのみとなりました。2013年に生産を終了しましたが、そのスタイリッシュなデザインと先進の技術は、多くの自動車愛好家に記憶されています。

まとめ

ボルボC70は、その美しいデザインと高い安全性で知られる、ボルボを代表するモデルの一つです。2世代にわたるモデルチェンジを通じて、常に時代のニーズに応えながら進化を続けました。初代モデルがボルボのデザイン言語を大きく変えた一方、2代目モデルは、より洗練されたデザインと革新的な安全技術を融合させた、魅力的な一台でした。 C70は、ボルボの歴史において重要な役割を果たしたモデルとして、これからも記憶され続けるでしょう。

もう一度検索