ポイ (料理)

ポイとは

ポイ（ハワイ語: poi, popoi）は、タロイモの球茎を主原料とするポリネシアの伝統的な主食です。特にハワイでは重要な食べ物とされ、文化や歴史と深く結びついています。伝統的な製法では、蒸し焼きにしたタロイモの球茎を木製の板（パパクイアイ）の上で、石製の叩き器（クイアイポハク）を使って粘りが出るまで潰して作られます。潰す際や食べる際には、好みの固さになるように水が加えられます。

ポイは、地域によって異なる調理法が存在します。サモアでは、熟したバナナとココナッツクリームを使ったデザートとして、またタヒチでは、バナナ、パパイア、マンゴーなどをキャッサバとココナッツクリームで調理した甘いプリンのような料理として作られ、これらはタロイモを原料とするハワイのポイとは異なります。

ハワイにおけるポイの歴史と文化

ハワイにおいて、ポイは単なる食べ物以上の存在です。器に盛られたポイは神聖なものとされ、家族の食事の際にポイの器の覆いが外されると、ハワイの人々の祖先であるハーロアの霊が宿ると信じられています。これはタロイモがハワイの人々の祖先であるという考えに基づいています。そのため、ポイを前にした家族間の争いは禁じられています。

硬めに作られたポイはパイアイと呼ばれ、ティーリーフで包んで保存・運搬されました。また、神への儀式には欠かせない供物としても用いられました。

近年、ペストや労働力不足によりタロイモの生産量が減少し、ポイは貴重な食べ物となっています。一方で、ポイの製法も進化し、保存性が高まり、甘味が加えられるようになりましたが、これらのポイは高価で、冷蔵保存が必要です。

伝統的製法の復活

近代的な製造法が主流となる中、パパクイアイとクイアイポハクを使った伝統的な製法は、ハワイの伝統を守る一部の人々の間で受け継がれてきました。近年、ある雑誌の記事をきっかけに、ポイの伝統的な製造法が再評価され、ハワイの伝統文化の復活に繋がっています。

食料としてのポイ

ポイは、ペースト状の食感で、独特の風味を持っています。新鮮なポイは甘く、そのまま食べられますが、数日経つと酸味が出てきます。そのため、ミルクや砂糖を加えて食べる人もいます。この発酵の速度は、ポイの中の細菌の量によって変化します。酸化を遅らせるために、ポイは低温で暗い場所に保存されます。冷蔵庫で保存する場合は、袋から取り出して水に浸すことで乾燥を防ぎます。

酸味が出たポイは、ロミロミサーモンなどと合わせて食べたり、料理の材料としても利用できます。冷凍や脱水によって酸化を防ぐこともできますが、味が薄れることがあります。冷凍ポイを解凍する際は、水を張って電子レンジで加熱すると良いでしょう。

その他の利用

ポイは栄養価が高く、牛乳アレルギーの赤ちゃんのためのミルクの代用品や、食物アレルギーを持つ赤ちゃんのためのベビーフードとしても活用できます。

ポイに関する情報源

• - The History of Poi
• - "Powered By Poi"
• - "Kipahulu Kitchen"

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