ポインター・シスターズ

ポインター・シスターズ（The Pointer Sisters）

ポインター・シスターズは、アメリカの音楽シーンで広く知られるコーラス・グループで、確かな実力を持つ四人の姉妹から構成されています。彼女たちはカリフォルニア州オークランド出身で、長い音楽の歴史を共有しています。グループは、ルース（Ruth）、アニタ（Anita）、ボニー（Bonnie）、ジューン（June）の四姉妹で構成されており、幼少期からゴスペルに親しんできました。彼女たちは聖歌隊で歌い始め、音楽に対する情熱を強く育んできたのです。

1971年にアトランティック・レコードと契約した当初は、アニタ、ボニー、ジューンの3人組でしたが、1972年にはルースも加わり、正式に4人組としての活動をスタートさせました。彼女たちはロサンゼルスに移り、ブルー・サム・レコードに変わりました。そして、1973年にリリースされたシングル「イエス・ウィ・キャン・キャン」は、ビルボードのポップチャートで11位を記録し、彼女たちの名を広めるきっかけとなりました。

ポインター・シスターズは、ジャズやカントリーの影響を受けたノスタルジックなスタイルで知られるようになりました。特に1975年にリリースされた「Fairytale」は、グラミー賞の最優秀カントリー・ボーカル・グループ賞を受賞し、彼女たちの地位を確立しました。その後、R&Bやディスコの要素を取り入れて新たな方向性を模索しましたが、1977年にボニーがソロキャリアに専念するため脱退し、残る3人での活動となりました。

残りのメンバーも精力的に音楽活動を続け、「ファイア」や「スロー・ハンド」といったヒット曲を次々とリリースしました。1984年にはダンス音楽に焦点を当て、4曲のトップ10ヒットを放ち、さらにグラミー賞を2部門獲得するなど、キャリアの頂点に達しました。この成功の裏には、彼女たちの独自のハーモニーとパフォーマンス力がありました。また、1985年には「ウィ・アー・ザ・ワールド」のコーラスグループとしても活動し、音楽界において重要な存在となりました。

1990年代以降、ポインター・シスターズはあまり表舞台に出ることは少なくなりましたが、1996年のアトランタオリンピックの閉会式でパフォーマンスを行い、その名声を保ち続けました。2006年にはジューンが癌で他界し、2009年にはルースの孫であるサダコが新たにメンバーとして参加しました。残念ながら、2022年にはアニタも他界し、ポインター・シスターズの歴史は一つの節目を迎えました。

ポインター家の長兄アーロンは、元プロ野球選手であり、日本でもプレー経験があるという点も特筆されるべきです。彼女たちの音楽は、時代を超えて多くのファンに愛され続けており、その影響力は今も健在です。

ディスコグラフィ

ポインター・シスターズは、数多くのアルバムをリリースしており、代表的な作品に以下のものがあります：

• - 『ポインター・シスターズ』 - The Pointer Sisters (1973年)
• - 『ザッツ・ア・プレンティ』 - That's a Plenty (1974年)
• - 『ステッピン』 - Steppin' (1975年)
• - 『ハヴィング・ア・パーティー』 - Having a Party (1977年)
• - 『エナジー』 - Energy (1978年)
• - 『褐色の罠』 - Priority (1979年)
• - 『スペシャル・シングス』 - Special Things (1980年)
• - 『ブラック＆ホワイト』 - Black & White (1981年)
• - 『ソー・エキサイテッド』 - So Excited! (1982年)
• - 『ブレイク・アウト』 - Break Out (1983年)
• - 『コンタクト』 - Contact (1985年)
• - 『ホット・トゥゲザー』 - Hot Together (1986年)
• - 『シリアス・スラミン』 - Serious Slammin' (1988年)
• - 『ライト・リズム』 - Right Rhythm (1990年)
• - Only Sisters Can Do That (1993年)

ポインター・シスターズは、そのユニークなスタイルと多彩な楽曲で、アメリカの音楽史に不朽の足跡を残しています。

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