ポジーリャ

ポジーリャの概要

ポジーリャ（ウクライナ語: Поділля）は、ウクライナの南部に広がる歴史的な地域で、ヴィーンヌィツャ州、フメリニツキー州およびテルノーピリ州の一部を含んでいます。また、沿ドニエストル地域もこれに含まれており、その魅力は地理や歴史、文化、そして人々によって形成されています。

地理

ポジーリャの名称は「高地の麓」を意味し、地理的には南ブーフ川流域とドニステル川の支流によって特徴付けられています。この地域は、平地が広がり、その北側の高地は徐々に広大な平原へと変わります。ドニステル川はモルドヴァとの国境となり、南ブフ川は多くの沼地や沢を潤しています。土壌は黒土が豊富で、農業に適しているため、地域の農業活動は盛んです。ポジーリャの面積は約61,000平方キロメートルで、人口は400万人を超えています。主要な都市には、カームヤネツィ＝ポジーリシクィイ、ブラーツラウ、ヴィーンヌィツャ、フメリニツキーなどがあります。

歴史

ポジーリャの歴史は古代から続いており、紀元前7世紀から3世紀にかけてはスキタイ人の時代があり、さらにダキア人、ローマ人の支配が続きました。この地域は、数世紀を経てスラヴ人同様、キエフ・ルーシの領土となります。12世紀末にはハールィチ公国の一部として知られ、地元の中心都市であるバコタ城がその象徴となりました。

13世紀にモンゴル帝国が勢力を拡大したことで、ポジーリャはジョチ・ウルスの影響下に置かれることになりました。そして、1368年の青水の戦いを経てリトアニア大公国の領土となります。以降、ポジーリャはクリミア・ハン国など異なる勢力に翻弄されながら、コサックの登場や要塞化が進むなど、緊迫した歴史をたどっていきます。

1430年には西ポジーリャがポーランド王国に取り込まれ、地方行政区画であるポジーリャ県が設置されました。大きな反乱も発生し、特に1768年に起きたコリィーヴシチナは注目されます。このように、ポジーリャは数多くの文化や民族が交錯する地域として知られています。

19世紀になると、ポジーリャは再び分割され、東ポジーリャがロシア帝国、西ポジーリャがオーストリア帝国に併合されました。20世紀初頭にはウクライナ人民共和国が成立し、そして第二次世界大戦の影響で再び国境が変動します。1991年にウクライナが独立を果たし、ポジーリャは新たな時代へと突入しました。

文化と社会

ポジーリャは、その独自の文化と歴史的背景によって、今日もなお多様性を誇る地域です。農業を基盤にした生活様式が根強く残る一方で、近年は都市化が進行し、経済や文化にも新しい変化が生じています。地域の伝統的なフェスティバルや文化イベントは、地元の人々にとって特別な意味を持ち、コミュニティの絆を深める役割を果たしています。

ポジーリャは地理的な魅力に加えて、その多様な歴史を持つことから、ウクライナの重要な文化的拠点としても知られています。この地で育まれた文化や伝統は、今も多くの人々に引き継がれています。

もう一度検索