ポップコーン (漫画雑誌)

ポップコーンと月刊ジャストコミック

『ポップコーン』は、光文社が1980年に創刊した隔月刊の漫画雑誌です。特徴的なゴリラのイラストが表紙を飾っていました。他誌と異なっていたのは、日本の漫画に加えて、マーベル・コミックスのアメリカン・コミックスを翻訳し、左開きの形式で掲載していた点です。そのため、裏表紙は広告ではなく、『スパイダーマン』や『X-MEN』のイラストが用いられた両A面仕様となっていました。

しかし、創刊から間もない1980年6月号に掲載された赤塚不二夫の『キャスター』において、人肉食や人肉料理の描写が問題視され、回収騒ぎとなります。そのため、同年8月号では、『キャスター』を含む新作の他に、2号に掲載された『キャスター』以外の連載作品が再録されるという異例の対応が取られました。

残念ながら、『ポップコーン』は1981年2月号で休刊となりますが、その後、青年向け月刊漫画雑誌『ジャストコミック』が創刊され、一部の連載作品が引き継がれました。ただし、『ポップコーン』の大きな特徴であったアメコミ要素は『ジャストコミック』には継承されませんでした。

ポップコーン主な連載作品

ななこSOS（吾妻ひでお）
キャスター（赤塚不二夫、シナリオ：喰始）
最後の暴走族（風忍）
That's Amazing World（大友克洋）
村野守美劇場『ワイヤ・ネット』（村野守美）
シンデレラボーイ（モンキー・パンチ）
サッパリ探偵（関谷ひさし）
ヤスジの困っちんぐ（谷岡ヤスジ）
青春ブルース（たむろ未知）
惑星ギャラガ（御厨さと美）

月刊ジャストコミック

『月刊ジャストコミック』は、1981年5月1日に創刊され、1985年12月5日に休刊しました。『ポップコーン』とは異なり、アメリカン・コミックスの掲載はありません。しかし、一部の作品は『ポップコーン』から引き継がれて連載されました。また、後に絵本作家として知られる平出衛が読み切り作品を掲載していたことも特徴です。

ポップコーンから継承された連載作品

ななこSOS（吾妻ひでお）
青春ブルース（たむろ未知）
That's Amazing World（大友克洋）

新たな連載作品

明日もカイカン（三山のぼる）
大字・字・ばさら駐在所（うえやまとち）
恋はジャスミン（山本貴嗣）
タコちゃん ザ・グレート（小林よしのり）
ぶっ飛び 広海くん（うえやまとち）
ピヨ13世（赤塚不二夫）
山本風太郎くん（新田たつお）

『ポップコーン』は短命に終わりましたが、アメコミを掲載するという斬新な試みや、問題作掲載など、漫画史にその名を刻む雑誌と言えるでしょう。その後継誌である『ジャストコミック』も、独自の路線でファンを獲得しました。

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