ポップタイム

ポップタイムとは

ポップタイムとは、野球において、捕手が盗塁を阻止する能力を評価するために用いられる指標です。具体的には、投手の投球を捕手が捕球した瞬間から、二塁または三塁へ送球が到達するまでの時間を計測します。

ポップタイムの重要性

ポップタイムは、捕手の肩の強さ、送球の正確性、送球動作の速さなど、総合的な能力を反映します。ポップタイムが短いほど、盗塁を阻止できる可能性が高まり、チームの守備力向上に貢献します。

ポップタイムの現状

近年、メジャーリーグベースボール（MLB）では、スタットキャストの導入により、全ての捕手のポップタイムが記録されています。2020年代のMLBでは、二塁への平均ポップタイムが1.9秒未満の捕手はごくわずかであり、2.0秒未満の捕手は各チームに1人程度です。2018年シーズンの平均ポップタイムは2.01秒でした。

日本プロ野球（NPB）では、2019年シーズンの平均ポップタイムは1.96秒でした。福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手は、1.7秒を切る記録を出すこともあります。

野球解説者の秦真司氏は、ポップタイムが1.8秒以下の選手は一軍レベルであると述べています。また、ポップタイムの概念や重要性は、野村克也氏の現役指導者時代には知られていなかったとして、捕手が育たない原因として、ポップタイムを縮めるための動作理論の細分化ができていないことを指摘しています（2021年時点）。一方、里崎智也氏は、NPBの一軍捕手であればポップタイム1.95秒以内が最低条件であると述べています。

盗塁阻止におけるその他の要素

盗塁阻止には、捕手の能力だけでなく、投手の球速やクイックモーションも重要です。投手の球速が速ければ、盗塁を試みる走者はスタートを切りにくくなります。また、クイックモーションが速ければ、捕手が送球するまでの時間を短縮できます。

ポップタイムの計測方法

映像解析技術が発達していないプロリーグやアマチュア野球では、ストップウォッチなどでポップタイムを計測することが一般的です。

その他の時間

デリバリータイム (delivery time): 投手が投球モーションを開始してからリリースするまでの時間。
タイムオブプレート (time of plate): 投球モーション始動から捕手が捕球するまでの時間。"time of pitch"とも呼ばれます。

関連項目

盗塁阻止率
バッテリー (野球)

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